大人と子どもで見た目がまるでちがう魚って!?(EX MOVE 深海の生きもの)P45に関連
2017.06.02
〈ウナギの子ども時代は透明!?〉
ウナギといえばだれでも、細長いヘビのような魚を思い浮かべるでしょう。
しかし子ども時代のウナギのなかまは、大人とはまるでちがう、透明な葉っぱのようなふしぎな姿をしています。
子ども時代の個体は「レプトケファルス」と呼ばれます。
平たく透明な体は敵に見つかりにくく、海流にのって移動するのにも適しています。
そこからだんだん体に色がつき、大人になっていきます。
このように、自然界には、子どもから大人になると見た目が大きく変わってしまう生きものが少なくありません。
深海にすむクジラウオ科の魚も、大人と子どもで見た目がちがいます。
さらに、オスとメスの見た目も大きくちがっています。
クジラウオ科の大人のメスは体が大きく、丸みをおびたクジラのような形をしていて、大きな口をもちます。
大人のオスは体が細長く、小さい眼ととても大きい鼻をもちます。視覚のかわりに大きな鼻でにおいを感知しているのでしょう。
子どもは体が細長く、さらに尾びれが体の15倍以上も長くリボンのようにのびています。
その後の研究でこの3科の魚はほぼ同じDNAをもっていることがわかり、2009年、すべてクジラウオ科に統一されました。
次の課題は、クジラウオ科のうち、どの魚どうしが同じ種のオスとメス、親と子に当たるのか、それぞれの関係を調べることです。これもDNAを使って調べる方法などが考えられています。
クジラウオ科の魚はめったに採集されないため、まだまだ明らかになっていないことが多いですが、今後少しずつ謎が解明されていくことでしょう。