お腹いっぱいになったメナガグソクムシはどうなる!?(EX MOVE 深海の生きもの)P54に関連

(EX MOVE 深海の生きもの)P54に関連


〈眼が長い! メナガグソクムシ〉

メナガグソクムシは、ダイオウグソクムシやオオグソクムシと同じ等脚目のなかまです。

ダイオウグソクムシが最大約50㎝にもなるのに対して、メナガグソクムシは約4㎝と小型です。

顔をよく見ると、メナガという名前の通り、左右の眼がつながってひとつの長い眼のようになっています。
(EX MOVE 深海の生きもの)P54に関連
写真提供:鳥羽水族館
〈魚にくっついて生きる!?〉

メナガグソクムシは半寄生性の生きものです。

ダイオウグソクムシやオオグソクムシはおもに海底で動物の死がいを食べていますが、メナガグソクムシは魚の体表に取りついて寄生し、魚の体液を吸ってくらしています。

ずっと寄生しているわけではなく、満腹になったら魚からはなれて海底に落ち、消化を待つという変わった習性があります。

魚に取りつくときにはがれおちないよう、脚の力はかなり強く、すべり止めの爪もしっかりしています。メナガグソクムシの脚が網にくっついてなかなか取れなくなってしまうこともあるようです。
〈お腹がいっぱいになると……〉

メナガグソクムシと同じグソクムシ科に、メダマウオノシラミという生きものがいます。

顔つきも体も見た目はメナガグソクムシによく似ています。
 

鳥羽水族館の水槽では、お腹がいっぱいになって満足したのか、メダマウオノシラミがあおむけになってじっとしている姿が観察されています。

まるでのんびり昼寝をしているかのようです。
 
現在のところ、メナガグソクムシではこのような行動は確認されていませんが、もしかするとメダマウオノシラミと同じように、あおむけで昼寝することがあるのかもしれません。
鳥羽水族館で撮影されたメダマウオノシラミ。お腹がパンパンにふくらんでいます。
写真提供:鳥羽水族館
〈グソクムシの名前の由来は?〉

ちなみに、グソクムシは漢字で「具足虫」と書きます。

具足は日本のよろいかぶとのことです。

かたい甲羅がよろいのように見えることから名付けられたのでしょうか。


〈写真提供〉
鳥羽水族館
住所:三重県鳥羽市鳥羽3-3-6
開館時間:9:00~17:00(ただし、7月20日~8月31日は8:30~17:30)
休館日:年中無休
入館料:大人 2500円/小人(小・中学生) 1250円/幼児(3歳以上) 630円
〈写真提供〉鳥羽水族館