その度に海底に沈めたり、火山を使って倒したり、様々な方法で立ち向かってきた。テレマガ編集部が目撃してきたように、正義のヒーローによって粉微塵に爆破されることもある。
だが、もしも「倒された怪獣まるまる一体が地上に残された」その時、何が起こるのか? 果たして「規格外の死体」はフツーに片付けられるのか!?
この映画『大怪獣のあとしまつ』は、そんな『もしも』を描いた空想特撮エンターテイメント映画である! 「時効警察」シリーズの三木聡監督が、時にユーモラスに怪獣特撮に挑む。
大怪獣の名は『希望』!? しかし、その先で待ち受けるのは……?
一級河川上に横たわる、この巨大な死体。
運ぶにも焼却するにも巨大すぎるこの死体は、いったいどう処分すればいいのか?
兎にも角にも『怪獣』死亡から10日。生命反応を失い、死体からは有害な病原体や物質等が確認されていないことから、政府はこの死体の「あとしまつ」を開始する。
誰かがやらねばならない前代未聞の難題を命じられたのが、山田涼介演じる特務隊の一等特尉=帯刀(おびなた)アラタである。
科学及び戦闘のエキスパートからなり、これまでは警察や国防軍からも独立した機関として秘匿されていたが、今回の怪獣退治の別動隊として明らかにされた組織だ。
そんな特務隊によるあとしまつの開始に伴い、有識者会議により「人類の生物学史上に残る貴重な環境資源、将来の『希望』に繋がる」という意味を込めて『怪獣』は『希望』と命名されるが……。
国防大臣と国防軍は、『希望』上陸時に独断でミサイル攻撃を行い民間の建物を消失させた汚名返上のために、あとしまつに横から手を出してくる。
そんな中で、果たしてアラタと特務隊のあとしまつは上手くできるのだろうか!?
しっぽの先まで歩いて5分! デカすぎるぞ怪獣『希望』!!
鼻先からしっぽの先までの最全長は380メートル。実に東京ドームの長径の約1.5倍である。ちなみに、歩くと5分以上かかる。およそ渋谷駅前の忠犬ハチ公像から渋谷パルコまでの距離だ。
振り上げた足の先は、はるか上空155メートル。通天閣の約1.5倍の高さとなる。
これを政府は、できる限り原型を残したままでの処理を期待しているのだが……。
さあ、どんな作戦が繰り広げられるのだろうか!?
思惑だらけの死体処理合戦!
死体の損壊を防ぐため、液化炭酸ガスによる冷却作戦が開始されるも、表面温度の上昇により氷が溶けはじめ、腐敗ガスにより風船のようにふくらんだ隆起が爆発。猛烈な悪臭と共に、その腐敗ガスをまき散らす大失敗。
そして、これを機に特務隊出身の総理秘書官である雨音正彦(あまねまさひこ)が、希望処理対策本部長に就任することとなるのだが、実は正彦は別の目的を秘めていた!