あの日、あの時、胸躍らせて目撃したのは何だったのか? 今回取り上げるのは「2月27日」(1999年)。
信頼する稲森博士の死が契機となり、藤宮博也=ウルトラマンアグルは世界中で眠る怪獣の覚醒をはじめた。しかし、人間への情を捨てきれない藤宮は、少年を守るために自らが出現させた怪獣と戦闘。その後、藤宮は特捜チームXIG(シグ)の追跡から逃れるため、彼に助けられたテレビ局・KCBのリポーターである吉井玲子とともに姿を消した。
我夢が地球滅亡の夢を見る
一方、我夢や玲子に「地球には人間は不要」と言いながら、非情になりきれず人間を守ってしまった藤宮は、気力をなくし抜け殻のようになっていた。世間では藤宮が玲子を拉致し逃走したと報じられているが、実際には藤宮を気遣った玲子が彼を連れて逃げている。しかし、そんな彼らは特殊捜査チーム・リザードの瀬沼龍一チーフに尾行されていたのだった。
恒星の異常に気づき、調査を始めたXIG。我夢はアルケミー・スターズを通じて、恒星の位置が変わったのではなく外気圏の位相に歪みが生じ、恒星の光が屈折しているのだと伝える。先程の夢とあわせて、我夢は地球に何かが起きようとしていると感じていた。そして、そのためには藤宮を止めなくてはならない。
リザードのコンピューターをハッキングし、瀬沼のあとを追うことで藤宮の居場所を突き止めた我夢。我夢は位相の歪みから何かが現れようとしていることを藤宮に伝えるが、藤宮はそれに気づいていており、もう遅いと返す。我夢は藤宮に殴りかかろうとするが、玲子がそれを止めたのだった。