六本木ヒルズを水木しげるの妖怪たちが百鬼夜行中! 真夏の肝だめしはこれだ!

水木しげるの稀有な妖怪人生を紐解く! 展覧会が東京シティビューで開催!

テレビマガジン編集部

水木しげるの妖怪 百鬼夜行展~お化けたちはこうして生まれた~/東京シティビューにて2022年7月8日~9月4日まで開催 ※会期中無休  ©水木プロダクション

妖怪の世界を52階からの壮大な景色とともに!

2015年、惜しまれながらも他界した日本を代表する妖怪漫画家・水木しげる氏。その生誕100周年を記念して2022年9月4日まで、氏の残した妖怪世界を、壮大な景色と共に楽しめる展覧会「水木しげるの妖怪 百鬼夜行展~お化けたちはこうして生まれた~」が開催されている。

会場は六本木、東京シティビュー。六本木ヒルズ森タワーの52階という高層と妖怪のコラボレーションは、まさに異世界そのもの。展示では、水木しげる氏の描いた日本の妖怪達が、どのように生まれてきたかが紐解かれる。
夜は提灯がともり、さらに情緒ある雰囲気に  ©水木プロダクション
展示では、江戸時代の絵師・鳥山 石燕(とりやま せきえん)の「画図百鬼夜行」、昭和初期の民俗学者・柳田 國男(やなぎた くにお)の「妖怪談義」など、水木しげる氏自身が所蔵していた妖怪関係資料も初公開!

さらに、「百鬼夜行」の名にふさわしく、水木しげる氏の妖怪画が100点以上勢ぞろい。現代の日本に妖怪という文化を根付かせた偉大な漫画家は、どのように妖怪と向き合い、描いてきたのか……。

その秘密に肉迫するスペシャルなイベントだ。

天空に「水木しげるロード」が出現!

では早速、その見どころを紹介しよう。

まずエントランスでは、水木しげる氏の出身地・鳥取県境港市に並ぶ妖怪のブロンズ像達がお出迎え。六本木ヒルズから東京を一望する窓には、たくさんの妖怪の名を記した提灯が並び、刻々と変化する空とのコントラストを描く。

また同じ空間で、NHK Eテレ『てれび絵本』で紹介された「水木しげるの妖怪えほん」に登場した、数々の人気妖怪の迫力ある映像を上映。水木しげる氏が創造した異世界への扉が開かれる。
ズラリと並ぶ提灯と妖怪の像が、見るものを一気に異世界へと誘う  ©水木プロダクション
このエントランスにはもうひとつ仕掛けがあり、専用アプリをインストールすると、巨大な「がしゃどくろ」がARで出現! 会場内には、ほかにもARの妖怪が5体隠れているので、みつけて記念写真を撮ろう。
ARで出現する「がしゃどくろ」。戦死者など、きちんと埋葬されなかった死者の骸骨や怨念が集まり、巨大な骸骨の姿になったと言われている  ©水木プロダクション

水木しげる氏の「妖怪人生」を紹介

続いてのコーナーでは、幼少期、神仏に仕える拝み屋の妻で、まかない婦として水木家に出入りしていた「のんのんばあ」に、お化けや不思議な話を聞いて育った境港時代。片腕を失い、生死を彷徨ったラバウルでの従軍時代。

そして貧困の貸本漫画家から、一躍人気漫画家となった時代……と、水木しげる氏の人生が、貴重な写真を交えて紹介される。
『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』など、数々の妖怪漫画の名作を手掛けた水木しげる氏。「水木」はペンネームで、経営していたアパート「水木荘」から名付けた  ©水木プロダクション

古書店での「妖怪探訪」の軌跡

「古書店妖怪探訪」のコーナーも必見だ。こちらは、古書店街を頻繁に訪れていた水木しげる氏が、実際に購入した秘蔵の妖怪関連書籍が公開されている。氏は民俗学や妖怪に関する書籍を日々探し、妖怪を描くヒントにしていたのだ。

「水木妖怪」の創作方法が明かされる!

晩年までに1,000点近くの日本の妖怪を描いた水木しげる氏。「水木しげるの妖怪工房」は、そんな「水木妖怪」の創作方法が明かされるファン垂涎のコーナーだ。

「絵師たちから継承」「様々な資料から創作」「文字情報から創作」の3つに分けて紹介されているので、じっくり鑑賞しよう。

加えてシアターでは、エントランスでも流れる「水木しげるの妖怪えほん」から、この展覧会用に特別に編集された映像が見られる。
「水木しげるの妖怪工房」コーナー。1,000点近くの妖怪を描いた天才の創作方法とは!?  ©水木プロダクション
NHK Eテレ『てれび絵本』の「水木しげるの妖怪えほん」特別編集版の映像。色鮮やかに描かれた、ユニークな妖怪が数多く登場する  ©水木プロダクション・NHK (Japan Broadcasting Corporation)

貴重な原画で「百鬼夜行」を演出!

そして、今回の展示会の目玉とも言えるのが、水木しげる氏の妖怪原画を存分に味わえる「水木しげるの百鬼夜行」コーナー! 「山」「水」「里」「家」の4ゾーンに分けて、それぞれに棲む妖怪の原画が展示されている。
緻密に描かれた妖怪原画とともに、妖怪が暮らしのあちこちで育まれてきた、日本独自の妖怪文化を感じよう  ©水木プロダクション
本展覧会の内容をまとめた図録より、「水」の妖怪達。コロナ禍で一躍脚光を浴びたアマビエや河童も  ©水木プロダクション
寂しい道を歩いていると後ろから笑い声が聞こえてくる「倩兮女(けらけらおんな)」など、人の姿に近いものが多い「里」の妖怪達  ©水木プロダクション
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