歴史と人気ゆえの展開と変化
そして2月には、円谷プロダクションの『ウルトラマン』や『ミラーマン』といった巨大ヒーローをメインにし、東宝やピー・プロダクション、宣弘社などの特撮作品までをもフィーチャーした『テレビマガジン デラックス8 スーパーヒーロー超百科』を発売している。
このラインナップは、テレビマガジン デラックスシリーズの1周年を記念する特別バージョンと考えて間違いはない。しかし、当時の現役のヒーローシリーズに超百科一冊の分量をもたせるだけのパワーが見込めないという編集部の不安を表明した展開でもあった。
ちなみに『スーパーヒーロー超百科』から、テレビマガジン デラックスの編成は、中面64ページとやや軽量化されている。それでも、これだけのページ数をダレることなく展開して読者を引き込めるヒーローは、当面は、ウルトラマン以外にはなかなかないだろうと認識されていたのである。
新たな展開
この一冊も当時の編集長の思想から、カバーには講談社のスタジオで大島康嗣が撮影したクリアな特写スチールを使用している。ページ構成の手法としては既刊を踏襲、ウルトラマンタロウの各種スペックはもれなく解説し、迫力ある劇中スチールを大きく配置して、ある意味の細かい構成を追求はしても、リアリティを損ねない構成を展開している。
そのことにより、これ以降のウルトラマンの特集記事は、ウルトラマングレートというヒーローをメインに置いたイメージをフォローはしつつも、それまでのウルトラヒーローの魅力も加えてボリューム感を増加させ、さまざまなテーマで「ウルトラマンシリーズ」を特集する方向へと、シフトしていくことになるのである。
ウルトラマンの強さ
そのため、ウルトラマングレートのキャラクター的な側面をほぼ紹介したと判断した時点で、過去に放送された『ウルトラマン』の歴史と多様性を活かすことでウルトラマン特集のパワーを増強させようという方向に誌面構成の舵を切っているのである。
そもそもテレビマガジン編集部は、「ウルトラマン」というキャラクターが帯びている魅力の普遍性を感知して『超百科』の刊行に踏み切ったわけであり、それをより強固に確信したのがこの時期なのである。
さまざまな解釈
そして、その長い間にキャラクターに対する解釈がさまざまに変化していることもまた事実である。
放送当時と比べると社会全体の科学的知見はつねに向上しているわけだし、SF的な発想も日々、先鋭化している。そのような背景もあり、ウルトラマンをめぐる各種設定は、時期に応じて、より矛盾なき方向に変更される場合が少なくないのである。
ウルトラマンタロウにおいても、その流れに例外はなかった。
「ウルトラの国」が具体的に描写されたシリーズではあるが、のちの劇場映画『ウルトラマン物語』におけるウルトラの都市のビジュアルイメージが優先するようになったケースも見うけられる。この『超百科』においても、のちに更新された設定がいくつか見られる。
テレビマガジン編集部
日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga Instagram:@tele_maga
日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga Instagram:@tele_maga