暗黒結社ゴルゴムによって改造されてしまった、主人公・南 光太郎(みなみ こうたろう)が仮面ライダーBLACKへと変身し、人類の破壊を目論む暗黒結社に立ち向かう姿を描いた物語です。
それまでの仮面ライダー像から一新して描かれた、時代を先駆した独自のスタイルと、「仮面ライダー0号」として位置付けられたコンセプトもファンから支持されており、現在でも人気を博しています。
そのリブートとして、『仮面ライダーBLACK SUN』が2022年10月28日の午前0時にPrime Videoにて世界独占配信されます。
そこで、今回は作品の原点である『仮面ライダーBLACK』誕生の裏側や、支持を得る理由にせまっていきます。
新プロジェクト始動の裏側にテレマガが…!?
その企画の発端は、手前味噌で恐縮なのですが、1986年にテレビマガジン編集部が刊行した『仮面ライダー大全集』にあるのです。
この一冊は、当時は珍しかった、迫力のスチールを多用したグラフィックページにプラス、シリーズの魅力をさまざまな角度から検証するといったマニアックな内容で、『仮面ライダー』から『仮面ライダーZX』までの全作品を研究しています。
社内事情もあって、表紙カバーでは「テレビマガジン創刊15周年」と謳ってはいますが、じつは『仮面ライダー』の誕生15周年の意味もかねていたのです。発売日を『仮面ライダー』の放送が開始された記念日である、1986年4月3日に間に合うように設定してあったのはそのためです。
このインパクトは、新たな「仮面ライダー」の企画につながり、新テレビシリーズのプロジェクトが動き始めることになります。ここでもっとも新しかったことは、従来の子どもたち以外にも青年層を意識することで視聴者層を膨らませ、「仮面ライダー」に新たな潮流を生み出そうという企画者たちの意気込みだったと思います。