ここに「平成ゴジラシリーズ」の方向性が固まっていく。
昭和の終わりに登場する「平成ゴジラ」だ。復活からシリーズ化へ。怪獣王、激動の歴史をたどってみた。──発売中の『「ゴジラ」東宝特撮・SF映画史 平成編』(講談社)より一部抜粋・編集して紹介。
「ゴジラ映画」継続の一手
最大の問題が「ゴジラの対戦怪獣は誰だ?」である点も、関係者間で一致しており、これが「ゴジラ映画」にハネを与える最大のファクターであることは明らかだった。そんな認識は、『ビオランテ』の公開直後に東宝本社で開かれた「反省会」で出席者が抱いた意識と同一であり、これまでの作品で人気を得ている怪獣をいかに再登場させるのか、企画のポイントは、そこに絞られていく。
なかなか抜け目がないもので、『ビオランテ』公開時に東宝の営業部と宣伝部は、観客に「敵怪獣アンケート」を実施していた。その結果がまとめられると、第1位は男の子推しのキングギドラとなり、2位は女の子推しのモスラとなった。この結果は「反省会」の結論に具体性を与え、ここに「平成ゴジラシリーズ」の方向性は固まっていくのである。
ゴジラのルーツと未来の怪獣
時系列的には、大森はまず『ゴジラ3』のプロットを作成している。その内容は不明なのだが、秋に作成した『ゴジラ3』ストーリー概要と大きな違いはないようだ。この「概要」には、現代の核によってより強大になったゴジラが登場するまでの流れが記されているが、先回って田中から『ビオランテ』を踏まえての注文が出されている。
それは「30分に1回の大きな見せ場と10分に1回の小さな見せ場」と「キングギドラが全国を縦断し、破壊の限りを尽くす」「怪獣の対決は2回で、クライマックスのバトルは長めに」というもので、大森は前作が「行儀」が良すぎたという自戒を踏まえ、ストーリーコンセプトをB級映画の勢いを狙って構成している。
続いて10月17日に仕上げられた『キングギドラVSゴジラ(仮題)』シノプシスでは、ラストまでの展開が完成している。これら「ストーリー概要」も「シノプシス」も、細かな名称以外は完成作品との違いは少なく、ストーリーラインについては公開1年以上前にほぼ完成している。
そして、1990年12月28日、『ゴジラVSキングギドラ』準備稿が作成され、翌年の1991年5月1日には細部が調整された『ゴジラVSキングギドラ』決定稿が完成することになる。名実ともに「続編」の展開となった理由は、第一義には川北が生みだした非常に完成度が高いゴジラと同一の個体を登場させるためであり、第二義的には、富山がこだわった三枝未希という登場人物、その視点を大切にするためである。あとは、映画の展開と尺の問題もある。世界観の説明が不要になるため前提となる説明も不要となって、観客がはやく深く作品に没入することが可能となるからである。
『ゴジラ』をはじめ東宝特撮・SF映画の世界が文庫に!
ぜひご期待ください!
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テレビマガジン編集部
日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga Instagram:@tele_maga
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