女方を演じるときは 正面より「肩」や「背中」を意識します
勘九郎さん:う〜ん、そうですね。女方というのは女性らしさを誇張している部分が大きいので、日常生活では少し違和感があるかもしれません(笑)。
それでもひとつ言うなら、女方を演じるときは、「肩」をとても意識しています。
ちょっとこれ、やってみてくださいね。
まず、背中の肩甲骨を寄せようと意識しながら肩をぐっと開きます。するとちょっと「いかり肩」のようになりますよね。それをそのまますとんと下に落とすんです。
すると、首の後ろから背中にかけてのラインがとてもキレイに見えるんです。
着物には、後ろ襟を背中に下げてうなじを見せる「抜き襟」という着付けかたがありますが、ちょうどそんな、自然に衿を抜いたような美しいラインができるんです。「美しく見せよう」と思うとつい正面に意識がいきがちですが、肩や背中をキレイに見せようと思うことは大切かもしれません。
「何を話すか」よりも しっかり目を見て話すこと
勘九郎さん:これは僕も人見知りだったりするので、そんなに上手におしゃべりできるかと言ったら自信はないのですが……(笑)。
まぁ、アドバイスと言われれば、そうですね、「目を見ること」。これは大切なのではないでしょうか。
目を見て話すってけっこう大変です。ウソをついていればすぐにわかりますし……動物もね、ずっと目を見ていると背けたりしますよね。それくらい、目はその人を物語るので、そこでしっかり相手の目を見て話せれば、思いは伝わるのではないでしょうか。
絶対に終わりがある 限りある時間を 大切に過ごしたい
勘九郎さん:子育ては本当に大変ですが、子ども時代はあっという間!
ついこの間まで赤ちゃんだったのに、上の子は来年は中学生になるなんて……。だからこそ、今この子ども時代を大切に過ごさせてあげたいですし、親としては成長を一瞬たりとも見逃したくないなという思いです。
それは皆様きっと同じだと思いますので、ぜひお互い、この毎日を大切に過ごしていきましょう。
中村勘九郎
中村屋。1981年生まれ。東京出身。歌舞伎俳優。十八代目中村勘三郎の長男。’86年1月『盛綱陣屋』の小三郎で初お目見得、’87年1月『門出二人桃太郎』の兄の桃太郎役で二代目中村勘太郎を名のり初舞台。2012年に六代目中村勘九郎を襲名する。2019年のNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』では阿部サダヲとともに主演を務めた。最新情報は、http://www.fernwood.co.jpへ。
小川 聖子
東京都出身。アパレル系企業に勤務したのちライターに。雑誌やWeb系メディアにてファッション関連記事や人物インタビュー、読み物記事の構成や執筆を行う。長男はついに成人、次男は中学生に。1日の終わりに飲むハイボールが毎日の楽しみ。
東京都出身。アパレル系企業に勤務したのちライターに。雑誌やWeb系メディアにてファッション関連記事や人物インタビュー、読み物記事の構成や執筆を行う。長男はついに成人、次男は中学生に。1日の終わりに飲むハイボールが毎日の楽しみ。