イタリアの小さな島ランペドゥーザ島には、近年、アフリカからたくさんの難民が流れてきます。難民にはもちろん、多くの子どもたちも含まれていることから、国際児童図書評議会のIBBY※が立ち上がり、ランペドゥーザ島に図書館をつくることになりました。
アフリカと一括りに言っても、文化も宗教も言語も様々で、すべての国の人に楽しんでもらえる絵本を準備するのは困難を極めます。そこで注目されたのが、言葉の壁を越えて楽しめる「サイレント絵本」です。IBBYは世界中の支部に呼びかけて、サイレント絵本のコンテストを開催し、多くのサイレント絵本がランペドゥーザ島に集まりました。このことがきっかけとなり、ヨーロッパだけでなく、韓国や台湾など、世界中でサイレント絵本が盛り上がりをみせています。
不安定な世界情勢のなかで、今もなお、難民は増え続けています。子ども達の心を守るために、サイレント絵本はさらに広まっていくべきだと、私は考えています。