2歳ですが言葉が遅く心配【発達障害・発達特性のある子】の育児の悩みに専門家が回答
#2 2歳ですが言葉が遅く心配〔言語聴覚士/社会福祉士:原哲也先生からの回答〕
2023.09.13
一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN代表・言語聴覚士・社会福祉士:原 哲也
専門機関への相談について
子どものことばの発達をうながす関わりをしていても、これでいいのだろうか、もっと専門的な関わりが必要ではないだろうかと心配になることもあると思います。そういうときは、専門家に相談することもひとつの道です。乳幼児健診をおこなう各市町村の保健センターの保健師、かかりつけの小児科医などは、比較的相談しやすいのではないでしょうか。
また、ことばの発達の専門家として、言語聴覚士がいます。言語聴覚士は、医療機関や児童発達支援事業所、各種教育機関に所属しており、地域の保健センター等の「ことばの相談」を担当することも多いです。言語聴覚士に相談したい場合は、各市町村の保健センター等で確認するか、日本言語聴覚士協会のサイトで検索してみてください。
ことばの遅れを心配されている保護者の方へ
インターネット等で多くの情報が得られる現在、「標準」とわが子を比べてことばの遅れを心配する保護者の方は多いです。
確かに「ことば」は大切です。人はことばで情報を受け取り、伝え、思考します。世の中を知り、他人と理解しあい、つながるために、また、考え学ぶためには「ことば」がとても重要であることは間違いありません。
しかし、ことばの遅れが気になるといって、子どもにことばを教え込もうとするのは、避けたいことです。それよりも、心地よいコミュニケーションを積み重ねて、ことばの土壌となるあたたかい親子関係を築くこと、子どもの興味関心に沿って子どものことばの発達をうながす働きかけをすることを心がけてほしいのです。それはことばの遅れがある子どもにとって、いえ、すべての子どもにとって、大切なことだと思います。
ーーーーーーーー
今回は「2歳になっても、ことばが遅くて心配です」というお悩みに、お答えしました。大切なのは、むりやりことばを教え込むことではなく、子どもがことばを発したいと思う働きかけやあたたかい親子関係であるということを教えていただきました。
第3回は、「偏食に困っています」というお悩みを取り上げる予定です。
第3回 偏食がひどくて困っています【発達障害・発達特性のある子】の育児の悩みに専門家が回答
原哲也
一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN代表理事・言語聴覚士・社会福祉士。
1966年生まれ、明治学院大学社会学部福祉学科卒業後、国立身体障害者リハビリテーションセンター学院・聴能言語専門職員養成課程修了。カナダ、東京、長野の障害児施設などで勤務。
2015年10月に、「発達障害のある子の家族を幸せにする」ことを志し、長野県諏訪市に、一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN、児童発達支援事業所WAKUWAKUすたじおを設立。幼児期の療育、家族の相談に携わり、これまでに5000件以上の相談に対応。
著書に『発達障害の子の療育が全部わかる本』(講談社)、『発達障害のある子と家族が幸せになる方法~コミュニケーションが変わると子どもが育つ』(学苑社)などがある。
わが子が発達障害かもしれないと知ったとき、多くの方は「何をどうしたらいいのかわからない」と戸惑います。この本は、そうした保護者に向けて、18歳までの療育期を中心に、乳幼児期から生涯にわたって発達障害のある子に必要な情報を掲載しています。必要な支援を受けるためにも参考になる一冊です。
原 哲也
1966年生まれ、明治学院大学社会学部福祉学科卒業後、国立身体障害者リハビリテーションセンター学院・聴能言語専門職員養成課程修了。カナダ、東京、長野の障害児施設などで勤務。 2015年10月に、「発達障害のある子の家族を幸せにする」ことを志し、長野県諏訪市に、一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN、児童発達支援事業所WAKUWAKUすたじおを設立。幼児期の療育、家族の相談に携わり、これまでに5000件以上の相談に対応。 著書に『発達障害の子の療育が全部わかる本』(講談社)、『発達障害のある子と家族が幸せになる方法~コミュニケーションが変わると子どもが育つ』(学苑社)などがある。 ●児童発達支援事業「WAKUWAKUすたじお」
1966年生まれ、明治学院大学社会学部福祉学科卒業後、国立身体障害者リハビリテーションセンター学院・聴能言語専門職員養成課程修了。カナダ、東京、長野の障害児施設などで勤務。 2015年10月に、「発達障害のある子の家族を幸せにする」ことを志し、長野県諏訪市に、一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN、児童発達支援事業所WAKUWAKUすたじおを設立。幼児期の療育、家族の相談に携わり、これまでに5000件以上の相談に対応。 著書に『発達障害の子の療育が全部わかる本』(講談社)、『発達障害のある子と家族が幸せになる方法~コミュニケーションが変わると子どもが育つ』(学苑社)などがある。 ●児童発達支援事業「WAKUWAKUすたじお」