「赤ちゃんの下痢」受診4つのポイントとホームケア4つの注意点 小児科医が解説

「0・1歳児の赤ちゃんのホームケア」#2「下痢」

小児科専門医・アレルギー専門医:岡本 光宏

ホームケアの注意点

次は赤ちゃんが下痢のときの注意点です。

【1】こまめに水分補給をする
とくに1歳以下の赤ちゃんの場合、下痢が続くと脱水症になりやすいです。卒乳前は、粉ミルク、もしくは母乳で十分です。

卒乳している場合は、水分とあわせて乳児用のイオン飲料や経口補水液を与えると、電解質や塩分、糖分を補うことができます。

写真:アフロ
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【2】無理に食べさせなくてもいい
食欲がないときは、水分補給のみでOK。赤ちゃんが食べたがる場合は、量を控えめにし、消化にいいものを与える。

【3】こまめにおむつ替えをする
下痢のうんちは肌への刺激が強いため、うんちをしたら早めにおむつを替える

【4】下痢便がついたおしりを洗って清潔にする
ぬるま湯で絞ったガーゼで拭くのもOK

写真:アフロ

注意したいポイント

次は覚えておきたい注意したいポイントです。

・赤ちゃんが嘔吐した場合は、水分を与えるのは吐き気が始まってから30分~1時間経過してからにしましょう

・自己判断でミルクの濃さを変えるのはNG。かえって症状が悪くなる可能性がある

「赤ちゃんのおむつを替えたら、そのたびに手をしっかり洗いましょう。胃腸炎のウイルスはアルコールに強いことが多いため、必ず石鹼・流水で洗ってください」(岡本先生)

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赤ちゃんが下痢をしたときの受診の目安やホームケアのポイントを押さえておくことで、病院を受診する際も落ち着いて準備ができそうです。

ただし、これらのポイントはあくまでも目安です。「様子見に当てはまるし、ホームケアの手当てをしているけど、なんとなく気がかり」と感じたら、かかりつけ医を受診しましょう。赤ちゃんのお世話をしているママパパだから気づく点もあるはずです。

赤ちゃんのホームケア次回3回目は、赤ちゃんの「発熱」についてお届けします。

取材・文/畑菜穂子

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おかもと みつひろ

岡本 光宏

小児科専門医・アレルギー専門医

おかもと小児科・アレルギー科院長。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床研修指導医、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命処置法インストラクター。 2009年奈良県立医科大学部卒業。同年神戸大学大学院医学研究科小児科学分野に入局。姫路赤十字病院、明石医療センターを経て、2019年より兵庫県立丹波医療センター 小児科医長。 2023年7月、兵庫県三田市で「おかもと小児科・アレルギー科」を開院。新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診察している。3児の父として、子育てにも積極的に関わる。 著書に『研修医24人が選ぶ小児科ベストクエスチョン』(中外医学社)、『小児科ファーストタッチ』(じほう)など。 サイト「笑顔が好き」 https://pediatrics.bz/

おかもと小児科・アレルギー科院長。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床研修指導医、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命処置法インストラクター。 2009年奈良県立医科大学部卒業。同年神戸大学大学院医学研究科小児科学分野に入局。姫路赤十字病院、明石医療センターを経て、2019年より兵庫県立丹波医療センター 小児科医長。 2023年7月、兵庫県三田市で「おかもと小児科・アレルギー科」を開院。新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診察している。3児の父として、子育てにも積極的に関わる。 著書に『研修医24人が選ぶ小児科ベストクエスチョン』(中外医学社)、『小児科ファーストタッチ』(じほう)など。 サイト「笑顔が好き」 https://pediatrics.bz/

はた なおこ

畑 菜穂子

ライター

1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona

1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona