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【中学受験】偏差値に振り回されない! 科学的に教える正しい「成績の向き合い方」とは
理論物理学教授・波場直之先生の「科学的に考える中学受験」#2 (2/3) 1ページ目に戻る
2026.10.17
大阪公立大学教授:波場 直之
【親の悩み】他人と比べ続けるとエネルギーを消耗する理由
心理学では、自分と他人を比べることは「社会的比較」と呼ばれます。
例えば、「○○ちゃんのようになりたい」という目標が、頑張るきっかけになることもあります。ただ、中学受験のような長期戦で、「○○ちゃんより点数が低い」「自分だけ成績が上がらない」と比べ続ければ、それ自体がストレス源になりかねません。
他人との比較によって脳内物質が変化し、成績が下がる。そんな説明を目にすることもあります。ただ、そこまで単純な因果関係が実証されているわけではありません。
一方で、長期にわたるストレスが、注意や記憶などに影響を及ぼすことは研究でも報告されています。
受験期間中ずっと他人と比べて消耗するのは、いわばエネルギーの無駄遣いです。その分のエネルギーは、もっと別のところに使ったほうがよいのではないでしょうか。
物理学の視点! 「何を基準にするか」で成績の見え方が変わる
物理学では、物体の速さを考えるとき、必ず「何に対して」という基準を決めます。この、ものを見る基準となる枠組みを「座標系」と呼びます。
例えば、時速300キロで走る新幹線も、隣を同じ向きに同じ速度で走る新幹線を基準とする座標系から見れば、止まっているように見えます。どの座標系から見るかによって、見え方は変わるのです。
成績も少し似ています。テストで80点を取っても、それだけで「良い」「悪い」とは決まりません。平均点が50点なのか、90点なのかによって意味は変わります。
ただ、ここで注意したいのが「他人」という座標系です。ほかの子も日々変化しています。急に成績が伸びる子もいれば、調子を落とす子もいる。そんな動き続ける相手を基準にしていると、自分自身は成長しているのに、「置いていかれた」と感じることがあります。
もう一度、新幹線で考えてみましょう。自分の乗っている新幹線が時速200キロで走り、隣の線路を同じ向きに時速300キロの新幹線が走っているとします。隣の新幹線から見ると、自分の新幹線は時速100キロで後ろに下がっているように見えます。地面から見れば、時速200キロで前に進んでいるのに、です。
あくまで物理学からのたとえですが、私には他人と比べたときに生まれる劣等感も、少しこれに似て見えます。自分は前に進んでいても、自分より速く進む「他人」という座標系から見ると、後ろに下がっているように見えてしまうことがあるからです。































