
【中学受験】忘れやすい「地理」と「歴史」 4・5年生の覚え方は? 中学受験専門塾代表が解説
「ジーニアス」松本亘正先生に聞く社会の勉強法 #2 ~4・5年生の勉強方法~
2025.05.07
中学受験専門塾「ジーニアス」代表:松本 亘正
基礎問題ばかりでは上位層と差がつく気がするけれど…
──4・5年生のうちは宿題や演習の量と、子どものキャパシティーをよく見ることが重要ですね。とは言え基礎問題ばかりやっていると上位と差がついてしまうのでは!? というのも親としては気になるところです……。
松本先生:「上位の子は演習量も多いから、差が広がるのでは?」というご懸念ですよね。
もし、社会があまり得意ではないお子さんでしたら、他の科目に目を向けるようにしましょう。4科目のうち、どれか1科目だけは難しい問題にも挑戦する。そうすればお子さんも「算数はがんばっている!」と自己肯定感が上がります。
苦手な科目を無理に家庭学習量だけで攻略しようと思わずに、バランスや得意不得意で考えるのがいいと思います。

松本先生:大切なことは、4・5年生の間はとにかく6年生につながる勉強を意識すること。その場しのぎではなくて、じっくりと基礎を反復して、着実に勉強していくという姿勢が後からものを言います。
──焦りは禁物ということですね。では社会が得意なお子さんが取り入れるべき勉強法はありますか?
松本先生:基本は塾の進度に沿って勉強していけば大丈夫です。余裕がある場合は、例えば5年生の後期くらいになると、やさしい市販の問題集を解いてみるのはいいと思います。
注意したいのは、4・5年生で『メモリーチェック』(みくに出版)やSAPIXの『コアプラス』(代々木ライブラリ)などの6年生用の1問1答問題集ばかり解いても効率が悪いということ。

松本先生:また、苦手な分野の問題集を解かせたくなる大人の気持ちもわかりますが、子どもにとって、自分のできていないところだけをひたすらやる、というのは苦行。それよりもやさしく感じられるくらいの問題でOKです。
「問題慣れ」するという意味で、やさしい問題を解いていくことのほうが効果があると思いますね。
──社会が苦手な場合、復習の仕方が大切かと思うのですが、具体的にアドバイスをいただけますか?
松本先生:頭に知識があまりない状態で宿題をやるのは効率が悪いです。たとえば、私の塾では配信授業もしていますが、お通いの塾でも配信授業があれば、一度習った内容を復習用に1.5倍速で観るのをおすすめします。
2回目ですから1.5倍速でいいですし、流れや要点を頭に入れてから問題が解けます。宿題を始めても問題が半分以上解けない場合は、こういった方法で勉強し直すといいですね。
──授業で習ったことを帰宅後、親御さんに「再現授業」のごとく話をするといい、と聞いたことがあります。復習と演習のセットが大切ということですね。
松本先生:はい。それができれば理想ですね。塾では定期的にテストがあると思います。偏差値を上げようと、その狭い範囲だけを毎回やってしまいがちだと思いますが、少しでもいいのでぜひ昔やったところも軽く見直してください。定着しやすくなりますよ。
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次回3回目では、6年生の社会の勉強法について。「社会は最後の詰め込み」説、本当なのでしょうか!? 引き続き松本先生にお聞きします!撮影/日下部真紀
取材・文/佐野倫子
ジーニアス松本先生の社会の連載は全3回。
※公開時よりリンク有効。



佐野 倫子
東京生まれ、早稲田大学卒。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。2025年4月から東京大学大学院情報学環教育部在学中。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57
東京生まれ、早稲田大学卒。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。2025年4月から東京大学大学院情報学環教育部在学中。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57
松本 亘正
中学受験専門塾「ジーニアス」代表。 1982年、福岡県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。ラ・サール中学高校を卒業後、慶應義塾大学在学中の2004年に中学受験専門塾「ジーニアス」を開校。 東京、神奈川に8校舎を展開し、首都圏の中学を中心に高い合格実績を誇っている。ドラマ『二月の勝者』監修。 「伸びない子はひとりもいない」をモットーに、少人数制で家族のように一人ひとりに寄り添う指導を徹底、毎年超難関校に合格者を輩出している。 主な著書に『超難関中学のもっとおもしろすぎる入試問題』(平凡社)、『合格する国語の授業 物語文感情語編/ 説明文・論説文よく出るテーマ編/物語文入門編/説明文・論説文入門編』『合格する地理の授業 日本の産業編』『合格する歴史の授業』『改訂版 合格する地理の授業 47都道府県編』(実務教育出版)など。 中学専門塾 ジーニアス https://labo-g.net/
中学受験専門塾「ジーニアス」代表。 1982年、福岡県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。ラ・サール中学高校を卒業後、慶應義塾大学在学中の2004年に中学受験専門塾「ジーニアス」を開校。 東京、神奈川に8校舎を展開し、首都圏の中学を中心に高い合格実績を誇っている。ドラマ『二月の勝者』監修。 「伸びない子はひとりもいない」をモットーに、少人数制で家族のように一人ひとりに寄り添う指導を徹底、毎年超難関校に合格者を輩出している。 主な著書に『超難関中学のもっとおもしろすぎる入試問題』(平凡社)、『合格する国語の授業 物語文感情語編/ 説明文・論説文よく出るテーマ編/物語文入門編/説明文・論説文入門編』『合格する地理の授業 日本の産業編』『合格する歴史の授業』『改訂版 合格する地理の授業 47都道府県編』(実務教育出版)など。 中学専門塾 ジーニアス https://labo-g.net/