【2025年10月開始】東京都の「無痛分娩費用助成金」を徹底解説! 最大10万円の補助・対象者・申請方法・病院リストまとめ

東京都の無痛分娩助成 「いつから?」「対象者は?」気になるポイントを専門家が解説 (4/4) 1ページ目に戻る

医療ライター:横井 かずえ

東京だけじゃない! 全国に広がる“無痛分娩サポート”の今と課題

写真:beauty_box/イメージマート
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都道府県単位では東京都が全国で初めての助成の取り組みになりますが、市や町といった自治体レベルでは、すでにいくつかの地域で同様の助成が始まっています。

例えば、岡山県備前市や千葉県いすみ市、群馬県下仁田町など、規模は小さくても「無痛分娩をもっと選びやすくしたい」という思いから独自に制度を設ける取り組みが始まっています。

市町村単位の助成金一例(2025年10月15日時点、コクリコ調べ)

▶群馬県みなかみ町 1回の分娩につき10万円
▶岡山県備前市 無痛分娩にかかった自己負担金の3分の2を助成。最大で20万円まで
▶茨城県取手市 1回の分娩につき10万円
▶千葉県いすみ市 無痛分娩にかかった自己負担金の2分の1を助成。最大で10万円まで
▶群馬県下仁田町 無痛分娩にかかった自己負担金の2分の1を助成。最大で10万円まで


東京都では、2025年10月31日時点ですでに126の医療機関が助成対象として公表されていて、今後はさらに無痛分娩が普及していくことが考えられます。

一方で、無痛分娩を選びたくても選べない環境にある妊婦さんもいます。

例えば、全国で唯一、無痛分娩の実績がなかった高知県では、2025年6月にようやく県内で初めての無痛分娩が行われました。

このように首都圏と地方とでは対応できる病院に大きな差があり、無痛分娩を希望する妊婦さんすべてが平等に選べる環境になるには、まだ課題が残されています。

無痛分娩へのサポートは少しずつ広がってきましたが、誰もが同じように選べる状況にはまだ遠く、地域による差が大きいのが現状です。

───◆───◆───

無痛分娩への支援は東京都を皮切りに少しずつ広がりを見せていますが、現状では首都圏と地方とで大きな差があり、希望しても選べない妊婦さんが多くいます。誰もが平等に安心してお産を選べるようにするには、まだ課題が残されています。

だからこそ、東京都の取り組みが全国に広がり、さらに地域の医療体制も整っていくことが大切です。無痛分娩を希望する人が「費用」や「地域」の壁にとらわれず、自分に合ったお産を選べる社会に近づけるかどうか。その第一歩が、今回の東京都の制度だといえるでしょう。

取材・文/横井かずえ


【参考資料一覧】
日本産科麻酔学会 無痛分娩Q&A
無痛分娩費用の助成
無痛分娩に関する医療機関実態調査結果
無痛分娩費用助成金|みなかみ町
備前市無痛分娩費用助成事業
取手市/【10月1日から】無痛分娩費用を助成します
無痛分娩費用を助成します/いすみ市
下仁田町ホームページ:無痛分娩費用助成
令和7年7月17日 知事の記者会見|高知県

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よこい かずえ

横井 かずえ

Kazue Yokoi
医療ライター

医薬専門新聞『薬事日報社』で記者として13年間、医療現場や厚生労働省、日本医師会などを取材して歩く。2013年に独立。 現在は、フリーランスの医療ライターとして医師・看護師向け雑誌やウェブサイトから、一般向け健康記事まで、幅広く執筆。取材してきた医師、看護師、薬剤師は500人以上に上る。 共著:『在宅死のすすめ方 完全版 終末期医療の専門家22人に聞いてわかった痛くない、後悔しない最期』(世界文化社) URL:  https://iryowriter.com/ Twitter:@yokoik2

医薬専門新聞『薬事日報社』で記者として13年間、医療現場や厚生労働省、日本医師会などを取材して歩く。2013年に独立。 現在は、フリーランスの医療ライターとして医師・看護師向け雑誌やウェブサイトから、一般向け健康記事まで、幅広く執筆。取材してきた医師、看護師、薬剤師は500人以上に上る。 共著:『在宅死のすすめ方 完全版 終末期医療の専門家22人に聞いてわかった痛くない、後悔しない最期』(世界文化社) URL:  https://iryowriter.com/ Twitter:@yokoik2