26年度から「出産費用が無償化」 保険適用なら「受け容れ中止」の病院・クリニックが続出? 〔産婦人科医が解説〕

出産費用の無償化 #1

産婦人科医:柴田 綾子

多くのママパパが「経済的・金銭的な負担が大きい」ため子育てしにくいと回答

これまで日本では、「妊娠・出産は病気ではない」という考えのもと、出産にかかる費用は健康保険の対象外でした。医療機関での出産にもかかわらず、保険が使えず自己負担が当たり前という状況が続いてきました。

しかし実際には、妊娠中から出産、そして産後のケアまで、さまざまな費用がかかります。有識者検討会で紹介されたアンケート(※1)でも、多くのママパパが「日本の社会は、子どもを産み育てやすい社会だと思わない」と感じており、その理由として「経済的・金銭的な負担が大きい」ことが大きく影響していることが分かっています。

(※1 https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001291614.pdf

現在、出産時には「出産育児一時金」として一律50万円が支給されていますが、それでも実際には約半数の人が、この金額を超える費用を自己負担しているという調査もあります。

さらに、妊婦健診の費用についても公費助成制度が整いつつあるとはいえ、自治体によって補助内容が異なり、妊婦さんたちの負担感が大きくなっています。

厚生労働省保険局「出産費用の状況等について」p.13参照
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こうした背景の中で、今回の出産費用の無償化は、妊産婦の経済的な不安を少しでも軽くし、子どもを産み育てやすい社会へ近づくための「はじめの一歩」として、期待されています。

出産費用が保険適用で多くの病院・クリニックが分娩取り扱いが中止に!?

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