撮影/日下部真紀
SNSで作品を発表し、話題を集める木彫りアーティストのキボリノコンノさん。
公務員から絵本の世界へと歩み出した彼を支えるのは、コンノさんの前作絵本『どっち?』を手がけた若手編集者の酒井友里さんと、「だるまさん」シリーズなど数々のヒット作を手がけたベテラン編集者の沖本敦子さんです。
年齢も経験も異なる3人が、互いを尊重しながらフラットな関係で作品づくりに向き合えるのはなぜなのか。転身の経緯や制作の舞台裏、そしてこれからの展望について、じっくり語り合っていただきました。
目次
「この人はすごい! 今すぐ連絡しないと」出会いの裏側とスピード感
──2本目では、講談社の編集者のお二人(酒井友里さん・沖本敦子さん)に加わっていただき、3人の出会いやチームの裏側に迫ります。まずは、それぞれの出会いから教えていただけますか。
酒井友里さん(以下、酒井):コンノさんが2023年3月ごろにX(旧Twitter)に投稿されていた「木彫りクイズ」を見たのが最初でした。
「この人はすごい! 今すぐ連絡しないと他の出版社に取られちゃう!」と猛烈に焦ってしまって(笑)。
本当は日中に連絡すべきなのですが、夜の10時ごろに「絵本を作りませんか」とメールを送ってしまったんです。
キボリノコンノ(以下、コンノ):電話でも「取られちゃう!」って言ってましたよ(笑)。
翌朝に僕が返信したら、「今から電話できますか?」と15分後には電話がかかってきて。単に「売れそう」という理由からではなく、作品を本気で好きでいてくれるのが伝わったので、「この人と一緒にやりたい」と思いました。
──コンノさんはその当時、まだ公務員だったんですよね。
コンノ:そうなんです。当時は副業禁止の公務員だったので「印税なしで出すかな」なんて考えていたのですが、ちょうど自分の今後の生き方に悩んでいたタイミングでした。
公務員という立場だとやれることが限られているし、せっかく始めた木彫りを深められないのが寂しかった。
ちょうど娘が生まれた時期でもあり、酒井さんが「これを仕事にできるかもしれない」と思わせてくれたおかげで、思い切って公務員を辞めてアーティストになる決断ができました。
酒井:声をかけて2週間くらいで「公務員をやめてアーティストになりました!」と言われて、私もとてもびっくりしました(笑)。


































