民法改正による成人年齢の18歳引き下げなどで懸念されるのはお金の契約まわり。子どもが「お金とのじょうずな付き合い方」を学ぶことは、やっぱり早いに越したことはありません。
経済アナリストで金融教育の専門家・森永康平さんに、子どもとお金の話をするときのコツや、子どもを夢中にさせるゲーム感覚のお金の教育などについて伺いました。 ※連載全5回の最終回
子どもの発想の柔軟性や興味、鋭い感性は、実は投資向き
昨年(2021年)秋に、東京メトロ主催のイベントで親子向けセミナー「学校では教わらない お金の勉強」を行いました。
お金と社会の関わりを親子で楽しく学んでいただき、未来の担い手である子どもたちの「生きる力」を育むのが目的のセミナーでした。
そこで子どもたちとやりとりして改めて実感したのは、子どもの感性や感覚をナメたらいけない、ということです。時には「わかってるつもり」だけの大人よりも鋭いことも……!
子どもたちに強制したり、難しい言葉を使うことはご法度ですが、子どもだからと言って何も理解できないわけではないのです。大人よりもボキャブラリーが少ないだけ。お金の概念や仕組みをしっかりと教えれば、きちんと理解をしてくれるんです。
最初のステップとして、まずは「お金の話」をしてみましょう。あまりタブー視しないことが大切です。親が給料でいくらもらってるか? など、額まで言う必要はありません。日常生活にかかるコストや学費、習い事にかかっている月謝について話してみてください。
子どもに適度にお金の話をすることで、正確な金銭感覚やお金の知識が身に付いていきます。大人になって一人暮らしするときの参考になるでしょうし、生活にいくらぐらいかかって、逆算していくらぐらい稼げばいいのかわかるようになる。
同時に、子どもに変に気を遣わせないために、「基本的に親は子どもの将来のためにお金を使うのは惜しくないと考えている」ということも伝えましょう。