軽量ランドセルながら類を見ないこだわり
軽くて高品質、さまざまなパーツが取り外し自由なランドセル型リュックで話題になっているのが、Rikomon(リコモン)の「リュッセル」です。
企画・開発を担当するのは日本一の鞄生産量を誇る兵庫県豊岡市にある鞄製造メーカー・株式会社タカアキ。
「近年、小学校ではタブレットを持ち歩くなど重量化が進んでいます。ランドセルの軽量化を求めるニーズが高まり、鞄メーカーとして何か新しい商品ができないかと考えたのが開発のきっかけです」(タカアキ代表・宿南(〔しゅくなみ)〕孝弘さん)
タカアキでは、毎年近隣小学校の社会科見学の授業で、工場見学に協力しています。そこで、小学生たちから“生の声”を聞いたことも、開発の後押しとなりました。
「見学に来た子どもたちにリュッセルの試作品を背負ってみてもらったところ、『軽い!』『わたしもこれが良い!』と笑顔で喜んでくれたんです。
子どもたちにとって、新しいランドセルは必要なものなのだ、と確信しました」(タカアキ・宿南さん)
こだわったのは、「リュックのようなランドセル」ではなく、「ランドセルのようなリュック」。
925gと最軽量の「FLY」(全8色/各41,800円・税込)、軽量と機能性を両立したミドルクラスの「NINE」(全8色/各49,500円・税込)、多機能コラボモデル「MORE」(全8色/各59,400円・税込)まで、3タイプをリリースしました。
「3タイプのデザインはいずれも、学校生活に馴染みやすい従来のシンプルなランドセルをベースにしました。
そこに、現代に必要な要素を加えてアップデートしています。シンプルなのに新しいランドセルがリュッセルです」(タカアキ・宿南さん)
3タイプのなかでも「MORE」は、これまでの軽量ランドセルにはなかった機能が満載です。
「MOREは、阪急百貨店コラボレーションモデル。荷物の量に合わせてマチ幅を広げることができるほか、取り外しで洗濯可能な背あてや、マグネットパーツによって本体から着脱のできるペンケースなど、これまでのランドセルにはない視点を取り入れました」(タカアキ・宿南さん)
さらに、かぶせもファスナー式で取り外しが可能。全面反射材入りの「リフレクターカブセ」(全7色、各9,680円)と交換ができ、夜間の安全性も確保しています。
「自分だけの自由な使い方ができる便利な機能を詰め込んだモデルです。使いながら毎日を楽しんでいただけると思います」(タカアキ・宿南さん)
全国から親子が訪れる人気ブランドへ
リュッセルのリリースは、2023年2月。従来のランドセルだけを販売していた昨年度に比べ、その反響は大きいと宿南さんは言います。
「リュッセルのカタログ請求は昨年の20倍以上。毎日、問い合わせが届いています」(タカアキ・宿南さん)
実際にリュッセルを手に取って見られる、兵庫県豊岡市のショップには連日多くのラン活中の親子が訪れます。今後は、全国で展示会を開催予定です。
「豊岡市ショップに三重県から4時間かけてご来店してくださったお客さまや、兵庫県姫路市で開催の展示会に福岡県からご来場いただいたお客さまなど、全国から評価いただいていると感じています。
軽さや機能性、見た目に使い勝手など、実際に触ってみて、リュッセルの良さを実感していただければ嬉しいです」(タカアキ・宿南さん)
新デビューの2ブランドに共通するのが「すべての子どもたちが最適なランドセルを、もっと自由に選べる世の中にしたい」という想い。
軽量の新機能ランドセルを背負って入学する子どもたちが、2024年度からさらに増えていきそう。親だけでなく、子どもたちの間でも話題になりそうな新作です。
───
次回は、ランドセルは「6年間背負うもの」という常識を覆す、2ブランドの新商品を紹介。子どもの成長に合わせて背負い替えるという選択肢を提案します。
取材・文/遠藤るりこ
※1=一般社団法人日本鞄協会ランドセル工業会「ランドセルの歴史」
【取材協力】
●株式会社アークズ
norokka 自由なランドセル/46,200円(フラップ全4色/15,400円)
※アウトドア・ガレージブランド「ハーフトラックプロダクツ」とのコラボランドセルとフラップを2023年4月14日から発売予定。
●株式会社タカアキ
Rikomonランドセル
リュッセル/FLY(全8色、各41,800円・税込)
リュッセル/NINE(全8色、各49,500円・税込)
リュッセル/MORE(全8色、各59,400円・税込)
遠藤 るりこ
ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe
ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe