8児のパパ小児科医・ゆび先生「子どもは医者を継がなくてもいい」子育ても夫婦関係も円満にした“そもそも論”とは?
8児のパパ小児科医・ゆび先生インタビュー#1~人気インフルエンサーになったワケ~
2024.11.25
小児科専門医・インフルエンサー:ゆび先生
ゆび先生:今は医師になってほしいとは思っていません。実は子どもがまだ3人のころ、僕は教育パパで、3人とも全員医師になってもらいたいと考えていました。
熱心に通信教育や将棋を習わせていたこともありましたよ。でも圧をかけてやらせたものって嫌いになっちゃうんですよね。4人目が生まれてからそういう教育はやめました。なぜか今でも上の3人は医師になりたいって言ってくれているようですが。
──子どもが増えていくにつれて、教育への考え方が変わっていったのでしょうか。
4人目の三女(7)が生まれたことで、ガラッと考え方が変わりました。もともと子どもは3人でいいと思っていたんです。僕も妻も3人きょうだいなので。
ところが4人目が生まれて人生設計が崩れました。いろんなことがコントロールできなくなって、「あれ?」ってなったんです(笑)。いい意味で力が抜けたんですね。
それから、こうするべきだという「べき論」から抜け出して、「そもそも論」で考えるようになりました。
そもそも子どもが生まれてきたときって、生まれてきてくれただけでありがたいって思っていたはずなのに、そのうち「こうするべきだ」と子どもにいろいろ求めるようになっていました。
「9時までには寝るべきだ」「ちゃんと靴はそろえるべき」「座ってごはんを食べるべきだ」というように。でも待てよ、と。生まれてきたときのあの気持ちはどこ行ったの? おかしいよね? と自分に問うようになりました。
そのころから妻に対する考え方も変わって、夫婦関係も良くなったんです。妻とは同じ大学の野球部で、卒業後に結婚しました。僕が25歳、妻が23歳のときでした。
結婚生活も長くなると、好きって言わなくなってきますよね。でもそもそも結婚したときの妻への気持ちはどこ行ったの? と、“そもそも論”で考えていくと「好き」という原点に戻るんです。だから今が一番仲いいですね。夫婦げんかもほとんどありません。子どもたちもパパとママは仲がいいって思ってくれています。
その影響か、きょうだいげんかもほとんどありません。1歳と3歳の物の取り合いのけんかはありますよ。でも上の子たちのけんかは見たことがないです。取っ組み合いのけんかはゼロです。
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仲良しなパパとママを見て、のびのび育つゆび家の子どもたち。次回は、4男4女・大家族の家事分担、仲良し家族でいられる秘けつについてインタビューします。
取材・文/大楽眞衣子
※記事内の年齢は2024年11月21日時点のものです