「令和の思春期」大暴れ・スマホ依存・反抗期がない… 親がとるべき対応を専門家が徹底解説

スマホを取り上げたら大暴れ! どうすればいい? 思春期の反抗期 乗り切りガイド#4

明治大学文学部教授:諸富 祥彦

反抗期なんて全然感じないけれど、ウチの子、それで大丈夫?

「思春期の3つの反抗タイプの最後は、〈反抗期がほとんどないタイプ〉です。令和はこのタイプが多くなっていて、これも時代を反映してのことだと感じています。

というのも、子どもたちはジェンダー教育により男だから反抗するものだという偏ったイメージを持っていなかったり、親に立ち向かうのをカッコ悪いと考える子が増えたりしているからです。

また、親のほうも厳しくしつけるよりも、友だち親子のほうが心地よいと感じる方が増えているためでしょう。

さて、〈反抗期がほとんどないタイプ〉のことを心の成長の面で心配される方もいますが、まったく問題ありません。どうぞ、そのままで親子関係を築いていってください。

ただし、反抗期がない『いい子』の方向性が支配的な子育ての結果の場合は、話が違います。子どもの普段の様子を振り返って、親の顔色ばかりを伺うようなら、実はやんわりと支配的子育てをしている可能性があります。

自分の感情を出せない子どもは、大人になってから大きな反動がやってきます。もし、子どもが親の機嫌ばかりを気にしているなら、『○○君(ちゃん)はどう思う? どうしたい?』と我が子の意志や感情を引き出してあげてください」(諸富先生)

〈反抗期がほとんどないタイプ〉は親としては子育てがラクですが、子どもの普段の生活を見直して、自分を表現する力が弱いときは、「○○しなさい」「違うでしょ」といった命令口調や頭ごなしの否定は避けるべきです。

反抗期がなくてもまったく問題ありません。 写真:アフロ
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