「絵に自信がついた!」今からでも間に合う【夏休みの絵日記のコツ】大公開
【レポート】あきやまかぜさぶろう先生「子どもの夏休み絵日記」攻略セミナー
2022.08.18
虫を描いてみよう!
次にクワガタを捕まえたシーンを描いてみましょう。
主役のクワガタを中央に大きく描きます。
クワガタは頭が四角、胸が四角、羽が縦長で、大きな角が2本出ています。
角の付け根に目、角の内側にギザギザを描きます。
脚は6本。前脚は途中から上向き、真ん中と後ろ脚は途中から下向きに描きます。
この脚の形でクワガタが木にしっかりとしがみついていることがわかります。
人物はクワガタを見ているように横向きに描いてみます。
基本の描き方で、丸い頭、四角い体を描きます。体を少し細長くすると、横を向いているように見えやすくなります。腕と脚で動きをつけましょう。
余白に太陽を描くと、夏の暑さを表現できます。
実際はクワガタは人間に比べたらずっと小さいですが、描きたいものをどんと大きく描くのがコツです。絵にしてみると特に違和感はないですし、むしろ迫力のある絵に仕上がります。
「朝顔の観察」の絵を描くには?
朝顔の花は、丸と三角の組み合わせです。丸の中に星を描くと、朝顔らしい花の姿になります。
三角の先っぽにギザギザのがくを加えます。
つぼみは細長い丸にがくをつけます。細長い丸の中に線を描きます。
葉っぱは、とんがりが3つある特徴的な形をしています。小さなとんがりを2つ描き、真ん中に大きなとんがりを描きます。この形が描けていると、学校の先生もよく観察していると思ってくれることでしょう。
花や葉っぱが描けたら、鉢や支柱を描き加えて、つるをからませてあげます。つるは必ず左巻きに支柱を登っていきます。
観察の絵は、実際の色をよく見ながら塗ってみましょう。緑色に見える葉っぱもよく見ると、一部が茶色っぽくなっているかもしれません。いろんな色を使って実際の色に近づけると、いい観察の絵に仕上がります。
机のうえの鉛筆だって絵日記になる!
よく「毎日イベントがあるわけでもないので、描きたいものが見つけるのが大変」という声を聞きます。
じつはお出かけなどの特別なイベントがなくても、絵日記は描くことができるんです。
どんな些細なことでもテーマになるので、お子さんが困っている時には「何があった?」「その時どう思った?」と話を聞いて、テーマを見つけるきっかけをつくってあげてください。
テーマに悩んだ時に私がおすすめするのは、身の回りのモノに注目することです。
たとえば、鉛筆。見慣れた鉛筆もよく見てみると、表面がボコボコしていたり、キズがついていたりします。
その発見を、そのまま絵にしてあげればいいのです。
文章も、気づきをそのままを表現するだけでいいでしょう。
たとえば、こんな感じです。
「きょう、ぼくは、えんぴつをよくみてみた。いつもつかっているえんぴつはボコボコしていて、キズがついていた。ぼくがつくえからおとしたせいだろう。いたかっただろうね、ごめんね」
最後に、そのモノの気持ちになった一言が入ると、とても魅力的な内容になります。
身の回りのモノに注目するこの絵日記は、テーマを無限に見つけることができます。そして、観察力や想像力を鍛える絶好のトレーニングにもなります。ぜひ試してみてください。
絵がうまくなるためには?
はじめにライオンの絵を描く時に、形を大きくとらえましょうと言いました。
実は、プロの画家が描く時も、同じように形を大きくとらえることからスタートします。大きくとらえた形を整えて、細部を描き加えていくことで、表情豊かな絵に仕上げていくのです。
実際にライオンの絵に手を加えてみましょう。
ライオンの脚は大きくグローブのような形をしています。
後ろ脚は人間と同じように腿が大きくどっしりしています。
背中はちょっと下がってカーブしています。
鼻は大きく、怖い顔をしているので、眉間にシワを描いてみます。
……という具合に、元の形をアレンジしていくだけで、だいぶリアルなライオンの絵になってきました。
小学校低学年のお子さんは、まず描きたいモノの形を大きくとらえることに集中して取り組んでいくと、絵の力が段々とついていくと思います。
ー◆ー◆ー◆ー
今日は絵日記を描く大切なポイントをお話しさせていただきました。
むずかしく考える必要はありません。
お子さんが困っているようなら、今日お話したポイントを踏まえて、「大丈夫だよ」とサポートしてあげましょう。
夏休みの後半戦、がんばってくださいね。
講談社コクリコCLUBでは親も子どももいっしょに学べて楽しめる会員限定イベントを開催しています。次回の開催もお楽しみに!
あきやま かぜさぶろう
画家・作家。1948年長崎県生まれ。1971年、二科展に初出展した作品が特選を受賞。1972年、二科展銀賞で連続受賞。現在は画家活動をしながら、幼稚園・保育園での絵画教室や幼児教室でも受験指導など数多くの現場で絵画指導を続けている。 『1日10分でえがじょうずにかけるほん』(講談社刊)は、シリーズ累計176万部を突破。お絵描きのコツを子どもにわかりやすく説明し体験させる「あきやまメソッド」で圧倒的な支持を得て、「児童絵画指導のカリスマ」として知られる。
画家・作家。1948年長崎県生まれ。1971年、二科展に初出展した作品が特選を受賞。1972年、二科展銀賞で連続受賞。現在は画家活動をしながら、幼稚園・保育園での絵画教室や幼児教室でも受験指導など数多くの現場で絵画指導を続けている。 『1日10分でえがじょうずにかけるほん』(講談社刊)は、シリーズ累計176万部を突破。お絵描きのコツを子どもにわかりやすく説明し体験させる「あきやまメソッド」で圧倒的な支持を得て、「児童絵画指導のカリスマ」として知られる。