動物園がSDGs的に解決! ジャイアントパンダ「年間100トンのフードロス」問題

親子で楽しくかしこく学ぼう、SDGs×教育 #1

編集者&ライター:奈良岡 周

実はすごいグルメなジャイアントパンダ

イベント前半、オンラインで園内をナビゲートしてくれたのは、パンダ飼育担当のリーダーを務める吉田倫子さん。

実はアドベンチャーワールドは、繁殖が難しいとされてきたジャイアントパンダの自然交配の成功率などで世界中から注目されている動物園なのです。

そんなアドベンチャーワールドには日本最大のジャイアントパンダのファミリーが暮らしています(※2022年イベント開催時)​。22年9月に30歳となったお父さんパンダの「永明(えいめい)」は人間の年齢で言うと約90歳。2020年にはメスの「楓浜(ふうひん)」が生まれ、7頭の大家族パンダファミリーとなっています。

かわいくて見ているだけで楽しいジャイアントパンダですが、一頭が1日に食べる竹の量はなんと20~30キロ! 7頭のファミリーが食べるのは、年間約85トンの竹を伐採したうち約36トンの、竹の葉や枝の“おいしい”部分だけなのです。(※23年4月現在は4頭のジャイアントパンダが暮らしています)

1日に食べる竹、20kg〜30kg  写真提供:アドベンチャーワールド

アドベンチャーワールドがパンダたちに用意しているのは京都と大阪で採取された、里山を荒廃させる竹です。これによって里山を守り、資源の有効活用をするなどサステナブルな取り組みをしています。

しかし、パンダはとってもグルメなので、新鮮でおいしくない竹には見向きもしないのです。葉のにおいをかいで好きな部分だけ食べて、ほかの部分はいっさい手を付けないことも……。

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