100均素材で「おもちゃ」作り 「アルキメデスの原理」が幼児にもわかった!
100均素材で理系脳が育つ【おうちで実験教室】幼児にもわかる科学の見方・あそび方を専門家が徹底解説
2021.05.08
浮かんだり、沈んだり 浮力の不思議を「科学の目」で見てみると……
まずは「浮力」のおはなしから。水に入れたものは、その体積と同じ量の水の重さだけ、上向きの力(浮力)がはたらきます。これが「アルキメデスの原理」です。浮沈子は(タレビンの水につかった部分+ナット+タレビンの中の空気)の体積の分だけ、浮力がかかっています。
次に、ペットボトルをにぎる(圧力をかける)前のタレビンの水の位置にマジックで印をつけてくらべてみましょう。ペットボトルをにぎると、タレビンの中の水の量が増え、空気の体積が減っています。このことから、空気は圧力を加えると縮む(体積がへる)ことがわかります。
浮力の大きさは、水中のものの体積で決まりますから、浮沈子の中の空気の体積がへると、浮力も小さくなります。だから、ペットボトルをにぎる(圧力をかける)と、浮沈子は沈むのです。
この浮沈子以外にも、浮力を学ぶためにペットボトルはとても便利です。空のペットボトルを浴槽に浮かべたり、沈めたり、バスタイムのおもちゃとしてぜひ活用してみてください。入浴中に大発見をしたといわれるアルキメデスのように、育ってくれるかもしれません。
構成・文/湯地真理子
【これまで紹介した実験】
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齋藤 実
都内私立中高一貫校理科教諭/理学修士。1960年東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業、同大学大学院相関理化学修士課程修了、同博士課程中退。 専門は、物性物理。「シンプルで原理がわかる実験」を心がけながら、理科教育に携わる。自身の子育て経験を通して、幼児からの「実験あそび」を考案。
都内私立中高一貫校理科教諭/理学修士。1960年東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業、同大学大学院相関理化学修士課程修了、同博士課程中退。 専門は、物性物理。「シンプルで原理がわかる実験」を心がけながら、理科教育に携わる。自身の子育て経験を通して、幼児からの「実験あそび」を考案。