掛け布団は危険! 乳幼児突然死症候群や窒息死を防ぐポイントを解説

乳幼児睡眠コンサルタントが教える! 「睡眠時の危険から子どもを守る予防策#2」

ママからの不安や疑問に乳幼児睡眠コンサルタントが回答!

Q1.赤ちゃんがうつ伏せ寝をしていたら、都度仰向けにしたほうが良いのでしょうか?
A1.生後6ヵ月ごろまでは仰向けに。「寝返りがえり」ができるようになったらうつ伏せ寝を戻す必要はありません。


下記のデータを見てみると、乳幼児突然死症候群も窒息死も、生後3ヵ月前後に発症しやすく、6ヵ月を過ぎると発生率が下がることがわかります。

月齢別SIDS死亡事故の割合

月齢別睡眠中窒息死亡事故の割合

生後6ヵ月までは乳幼児突然死症候群と窒息死両方の発症・発生リスクが高いため、都度仰向けにさせたほうがいいでしょう。

もし、赤ちゃんがうつ伏せから仰向けになる「寝返りがえり」ができるようになったら、都度仰向けにする必要はありません。厚生労働省も米国小児科学会も、仰向けで寝かせたのにもかかわらず、自らうつ伏せになって眠っている場合は戻す必要はないと伝えています。

Q2.うつぶせ寝は、いつから大丈夫ですか?
A2.赤ちゃんが「寝がえり返り」ができるようになっていて、自らうつ伏せ寝をしている場合はそのままで大丈夫です。


Q1の回答とも重なりますが、赤ちゃんひとりで「寝返りがえり」ができるようになっていて、仰向けで寝かせたのにもかかわらず、自らうつ伏せになって眠っている場合は戻す必要はないとされています。

Q3.毎日おくるみ(スワドル)を着せて寝かしているのですが、最近寝返りができるようになりました。寝返りができるようになっても、このままおくるみ(スワドル)は使用しても大丈夫ですか?
A3.寝返りの兆候が見られたら、必ず赤ちゃんの手をおくるみから出しましょう。


寝返りをするようになったら、おくるみ(スワドル)をそのまま使用するのは危険なのでやめてください。寝返りができるようになった赤ちゃんは、スリーパーに切り替えるようにしましょう。

なお私の知見を活かし、デザイン性と機能性にこだわって開発した「愛波おくるみスリーパー」は、手を出し、羽の部分を胸に巻くことで生後6~7ヵ月くらいまで使用していただけます。

Q4.乳幼児突然死症候群が怖くて寝られません……。どうすればいいでしょうか?
A4.安全な睡眠環境が整っていれば、不安になる必要はありません。


気持ちはとても分かります。私も2児のママなので怖くて眠れない日もありました。でも、安全な睡眠環境であればママ・パパが一睡もできないくらい不安になる必要はありません。まずは、「硬めの寝床(ベビーベッドが一番安全!)」「寝床に何も置かないこと」「室温が涼しく厚着をさせないこと」を守ってみてください。不安な場合はいつでもご相談くださいね。

睡眠環境を整えて、大切な子どもの命を守りましょう

子どもの安全な睡眠環境についてご説明しましたが、いかがでしたか? 日本でも啓発普及が行われているものの、初めて知ることもあったのではないでしょうか。ぜひ当記事を参考にして、この冬、お子さんの安全な睡眠環境を今一度見直してみてほしいと思います。

私はとにかく、「日本のママ・パパや保育者に悲しい思いをしてほしくない」「赤ちゃんに事故にあってほしくない」という思いが強くあります。

米国小児科学会も啓発しているとおり、「掛け布団を使用しない」というのは乳幼児突然死症候群・窒息のリスクを下げるためには、当たり前のことです。

現在、私は日本に安全な睡眠環境の知識を広めるために、厚生労働省の乳幼児突然死症候群・窒息死予防ポスターに「掛け布団は使用しない」「暖めすぎは危険」の明記を求めるキャンペーンを実施しています。賛同していただける方は、ぜひこちらからご署名(無料)をしていただけると、とても嬉しいです。

『睡眠中の窒息や突然死から幼い命を守る──厚生労働省のSIDS・窒息死予防ポスターに「掛け布団は使用しない」・「暖めすぎは危険」の明記を求めます!』

愛波 あや(あいば あや)
乳幼児睡眠コンサルタント。国際資格認定機関IPHI・日本代表。Sleeping Smart Japan株式会社代表取締役。
出産後、自身が夜泣きや子育てに悩んだことから米国で乳幼児の睡眠科学の勉強を始め、現在は日本を代表する乳幼児睡眠コンサルタントとして、360人以上の乳幼児睡眠コンサルタントを育成。また、ママ・パパ向けに睡眠・子育て・教育について質問に答え、情報を配信する『愛波子育てコミュニティ』を運営。著書に「ママと赤ちゃんのぐっすり本」(講談社)「マンガで読む ぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方」(主婦の友社)、監修書に「ママにいいこと大全」(主婦の友社)がある。

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取材・文/阿部雅美

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