もっともらしい生成AIの回答に愕然とする子どもたち
するとAIは、一瞬でもっともらしい回答を出力しました。
『この文章は、AIによって作成された可能性が高いです。
【理由】
・文章構成が論理的で、整いすぎている印象があります。
・小学生が書いた文章としては、専門的な表現が多く含まれています』
「ほら! やっぱりね!」Aくんが声を上げると、周りの子たちも「決定的な証拠」を見つけたかのように騒ぎ出しました。
「AIが言ってるんだから本当じゃん」「自分でやってないなんてズルくね?」「そんなのでクラス代表になるっておかしいよ」息子がどんなに「違う」と言っても、AIの下した判断を子どもたちは鵜吞みにしてしまったのです。
「息子がすべて作ったものだと私が保証します!」
あとで聞いたところによると、クラスの騒ぎに気づいた担任の先生が慌てて割って入り、その場を収めてくれたそうです。先生は息子とも個別に話をし、「先生は、あなたが頑張って書いたものだと信じているよ」と声をかけてくれたといいます。
その日の夕方、先生からわが家に電話がありました。そこで初めて、私は学校で何が起きていたのかを知ることになります。帰宅した息子は明らかに元気がなく、部屋に閉じこもったまま。何かあったのだろうとは感じていたものの、その理由まではつかめずにいました。
先生の話を聞いているうちに、胸の奥から悔しさが込み上げてきました。夏休みの間、毎日泥だらけになって昆虫を追いかけ、机に向かっていた息子の姿を、一番近くで見てきたからです。
「自由研究は、息子がすべて自分で作ったものだと私が保証します!」
私は先生に、そう強く伝えました。受話器を置いたあとも、Aくんの軽率な行動への怒りは収まりません。電話を切って息子の部屋へ行くと、泣き腫らした顔でうずくまる息子の姿がありました。
「先生から電話があって、今日のこと聞いたよ。悔しかったね」そう声をかけると、息子は小さく頷きました。けれど、表情は晴れないままです。
親である私や先生がどれだけ「信じている」と伝えても、友だちから疑われた傷は、簡単には消えなかったのだと思います。
しかし事件は、まだ終わりませんでした。
文/構成・橘サチ
後編は明日公開!
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