
歌謡曲が卒業式で歌われるようになったのは、あの伝説のドラマがきっかけ!
1979年に放送されたテレビドラマ「3年B組金八先生」の主題歌といえば、『贈る言葉』。有本先生は、このドラマが卒業式歌・卒業ソングのターニングポイントだといいます。
「表を見ていただくとわかるように、『贈る言葉』の以前にも『卒業写真』のような歌謡曲が入っていますが、これらは謝恩会や送る会といった、正式な儀式以外の場で歌われていた可能性があります。
それが全国的に、オフィシャルな式の中でも取り上げられるようになったきっかけが『贈る言葉』なんです。
1980年前後は校内暴力が急増していた時代ですから、金八先生がドラマの中で築いたクラスや学校像は、実際の先生にとっても、生徒にとっても理想だったのでしょうね」(有本先生)
ちなみに、校内合唱コンクールが浸透していったのも同時期だと有本先生は話します。これには荒れたクラス、荒れた学校を歌の力で立て直したいという期待があったと考えられますが、歌い上げたときの連帯感や感動に関しては、卒業式に通じるものがあります。