「教育移住」で軽井沢に1年半 子どもと親の大きな変化とは?

インタビュー「教育移住」#2「軽井沢風越学園」後編

ライター:片岡 由衣

坂口さんが思う、移住に向いている人はどういう人なのでしょうか。

「動くこと、変化を楽しめる人が向いているのかもしれません。周りを見ても、環境問題や自然農や食への関心が高い人が多く、自分で飲食店を始める方もいます。

風越学園に通う家族には移住者も多いけれど、この土地で暮らすのだからと、地域に自分から心を開いていこうというスタンスで臨んでいる人が多いように感じます」(坂口さん)

さらに移住を楽しむコツを教わりました。

「地方に移住したら、その土地を好きになって、もともと暮らしていた人たちともつながっていく。そうすると、どんどん楽しくなっていくんだと思います」(坂口さん)

坂口さんも、風越学園の保護者と一緒にブックイベント『風の本棚』を企画。キャンプ場の青空の下、選書した本を並べました。

「焚き火にあたって、じっくり読書する人、何度も本を借りに来てくれた子どもたち、本を真ん中に置いて語り合う人など、自由に本を楽しむ姿がありました。

他にも、軽井沢の隣の町、御代田町で行われている『稲作塾』や、山の木を切って薪(まき)ストーブの材をつくる活動『薪びとクラブ』にも参加させてもらっています。

薪をつくるだけでなく、山の管理や『木を切る』とはどんな意味をもつことなのか、体験から学び、実践する場でもあります。

移住前は、まったく考えていなかったことですが、地域で活動する魅力的な人たちの出会いがとても豊かだなと感じます」(坂口さん)

ブックイベント「風の本棚」。本と人が偶然出会う場にしたいという想いを持ったメンバーで開催しました。 写真提供:坂口惣一
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