ウィズコロナ時代 我が子を「国産バイリンガル」に育てる方法とは?

バイリンガル育児のカリスマ主婦・タエさんに学ぶ

小和野 薫子

子どものためならどんな山でも越えられる!?

くじけそうな私に、普通の主婦代表としてタエさんからの励ましの言葉が響きます。

「でも元々は、この地道な努力が自分のためには全くできない私……。息子のためと思うからこそ、できたのです。そのあたりは、どんなお母さんでも一緒かもしれませんね。自分のための頑張りはなかなか続かないけれど、子どものためだと、けっこう続いたりするものです」

あ。それはあるかも。

当たり前だけど英語は選択肢も世界も大きく広げてくれる!

また、タエさんも、前述の国産バイリンガルを育てるインスタグラマーのお母さんも、英検○級合格などを育児のゴールにしていない点に、私は共感しました。

「英語と日本語、どちらが大事かと聞かれたら、私は迷わず日本語と答えます。日本に住み、日本語で勉強するのであれば、絶対に日本語だと思います」
と書いています。

英語が話せる、だけで立派な大人になれるわけでも、幸せな人生が確約されるわけでもない。だけど、子どもが好きなことを見つけ、より豊かな人生を歩んでいくために、英語はとても良いツールだと私も思います。情報量が日本語ベースより何十倍となるわけですから。それだけでも選択肢が増えるわけです。

英語話者は世界で15億人と言われていて、日本語話者はせいぜい1億3000万人ぐらいでしょうか。単純にわが子がたくさんの人とコミュニケーションをとったり、多様な文化にふれたり、ストレスなくあちこちへ旅行していたら親として嬉しいです。

学ぶことで我が子の選択肢や楽しみが増えることを願う
写真:アフロ

東大の推薦入試に合格!

タエさんの、小学校6年生で英検1級をとった息子さんは、本の執筆当時は、私立の中学校に特待生として通っていたそうです。(特待の理由に英検は関係ないそうですが)将来、英語関連の職業に就くつもりはなく、理系の大学に進みたいと思っているようで、タエさんもそれを望んでいます。

「もしも息子が英語の道に進みたいと望むようになっていたら、自分の気まぐれで始めた英語が、彼の人生を決定してしまったようで複雑な思いを抱いたかもしれません」と書いてあったのが印象的でした。
帯には、その後東大の推薦入試に合格されたとありました。

日常に流されず、「今」始めることが大事

私を行動にうつさせたタエさんの最後の言葉が以下です。

「英語育児、やってきて良かったです。
小学生のうちに英検1級合格は、誰でも達成できるものではないとは思います。息子にセンスがあったからできたことかもしれません。

でも、私があの時、始めなかったら息子が絶対にバイリンガルにはなれなかったのは間違いないこと。ごく一般的な家庭のごく普通の男の子が、何の苦労もしないでバイリンガルになって、勉強をせずに6年生で英検1級に合格してしまったというのは、まぎれもない事実」

そう、育児って、日常に流されるか、行動を起こすかで大きく変わってくること、ありますよね。
この本を読んでよりいっそう、自分の子どもにも英語を身につけさせたいと思いました。それでもタエさんほどの熱量で取り組むことはできていません。

ただ、テレビのついていないリビングで子どもたちが自由に遊んでいる、週に1、2度だけ訪れる、ゆったりとした時間に英語を流してみることにしました。

月に1度の無料放送日のスカパーから英語の音声を録音していたタエさんの育児時代と違い、現代はスマホやタブレット、インターネットテレビから簡単に英語の動画にアクセスできます。Podcastの存在も最近知ったばかりですが、自分のiPhoneに初期設定で入っていたとは……!

突然、英語での絵本の朗読を大音量で聞き始めた私に子どもたちは不思議そうな顔をして、その後は一切無視してこれまで通り遊んでいるけれど、本当にスマホを数回タップするだけ。それだけで、英語教育は始められると知った、私のはじめの一歩。未来を少しでも良く変えると信じたいです。

BGM代わりに聞こえてくる英語が、バイリンガルになるための一歩
写真:アフロ

今後増えていく「国産バイリンガル」とこどもの未来

幼児早期教育が疑問視され、若者は内向き志向と言われ、外遊びの大切さが再認識され、最近の子育て環境において、バイリンガルを育む流れをあまり感じずにいました。そのため、現代の子ども社会でもバイリンガルの数は私たち親世代と同じくらい、ごく一定数だけだろうと考えていました。

しかし、実はすぐ近くの、一般的な日本人家庭で育っている子どもがある日ぺらぺらと英語を話し出す、そんな時代に変わってきているのかもしれません。

国産バイリンガル!とまでいかなくても、少しがんばってみる価値はありそうです。

次回は、タエさんこと喜田悦子さんに直接お話をうかがいます。

英語育児以前のこと、東大合格の話、タエさん自身についても掘り下げていきたいと思っています。

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おわの かおるこ

小和野 薫子

ライター

1980年生まれ。読者モデルから、雑誌『ViVi』のファッションライターに。結婚後、メキシコ、ペルーに3年間暮らす。 2人の子を持つ現在は、子育て記事を中心に執筆している。

1980年生まれ。読者モデルから、雑誌『ViVi』のファッションライターに。結婚後、メキシコ、ペルーに3年間暮らす。 2人の子を持つ現在は、子育て記事を中心に執筆している。