【小学校お受験】終えてわかった!合格のカギを握る“校風と家風”の相性

庶民嫁が見た! 受験本ではわからないTOKYOお受験の裏側⑫

ライター:華子

入学後続出!品格を失う子どもと起業ママ

では、晴れて入学した希望の私立小生活とはどのようなものでしょう。

あれほど、山の手マダムに強調された「子どもの品格」#3は、残念ながら、よほど躾(しつけ)に厳しい学校でない限り2年ほどで消え去ります。それはそれは無残なものです。「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹(ぼたん)、歩く姿は百合(ゆり)の花」と鍛えられたはずの娘も、あっという間に外股猫背に逆戻り。軍隊ばりに規律正しく叩き込んだ生活習慣すら今やグダグダ、起きた後のベッドを整えないどころか、パジャマも脱ぎ捨てたまま平然とふんぞりかえっています。

あれ? 5歳までに身につける「品格」って? 

しかし、気配だけはまだ残っているようで、ここぞという場面ではそれらしき雰囲気をほんのり匂わせてきたりする。それが5歳まで徹底的に仕込んだ、いわゆる“品格”の成果かと思うと、脱力感しかありません。普段は奥底に眠っているそれが常に表面に現れるよう、今は忍耐強く磨き続けるしかない。そう、しつけ道は根気がいるのです。

一方、ママの方はといえば……。
入学して1年もすると、お教室の先生を始めるママがチラホラ出現します。「あの絶対的権力を持つお教室の先生って、そんなに簡単になれちゃうものなの!?」と驚くことしきり。

しかし、考えてみると、教員の免許が必要なわけでもなく、紹介制の現金払いで、マンションの一室でも始められる個人のお教室は、お受験合格を経験した主婦にとって一番お手軽なスタートアップなのかもしれない。

投じた資金をきっちり回収しようとするお受験ママたちの「転んでもただでは起きない」タフなバイタリティには脱帽です。

小学校のトラブルは親が毅然と対処

最後は、皆さんもっとも気になるだろう「学校のいじめ」です。

こればかりは「名門私立小だから大丈夫よ〜!」というわけはなく、どこの学校でも大なり小なり必ずあります。私立は隠す能力が高いので一般的にはなかなか見えてきませんが、どんなに学校側が秘密にしようと「〇〇小学校でいじめ発生!!」という情報は、瞬く間に都内私立ママコミュニティの間に広がり共有されます。

では、もし、自分の子がその渦中に置かれたら?

これだけは言えます。
これは最終的に親が解決するしかない。結局のところ、親以外に我が子を救える人はいないのです。

親が“命懸けで子育てしている”姿は、必ず子どもに伝わります。自分のために何を犠牲にし、どのような行動を取るか。その覚悟を見せ続けていくことが大切だと思うのです。

子どもはしっかり見ています。その過程があれば、結果がどうあれ、少なくとも子どもの心が孤独を感じ離れていくことはありません。「自分には絶対的な味方がいる」と確信することができれば、その子はきっと大丈夫。自力で立ち上がり、また歩いていけます。

これから果てしなく続く人生、何度倒れても起き上がる「生きていく力」を教育できるのは、やはり親しかいないと思うのです。

〜華子から小学校お受験卒業の皆さまへ〜

①    勉強は継続が大事。将来必ず結果はついてきます

②    身につけた「品」は奥底に眠っている。忍耐強く磨き続けましょう

③    トラブルは親子の絆を深めるチャンス。しっかり「親の背中」を見せましょう

④    小学校生活も予期せぬことばかり。お互い頑張って6年間を乗り切りましょう

※この記事は、ライター華子の個人的体験及び感想に基づくものです。私見のため、一般的な見解とは異なる場合があります。また、一部については創作的表現が含まれております。

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はなこ

華子

ライター

ライター。一般的なサラリーマン家庭で育ち、公立で小・中・高を過ごす。都内の大学卒業後、プチセレブな夫と出会い、結婚。女児の母。庶民との差に日々驚きつつも、平然なふりを装ってアセアセと暮らしている。 TOKYOお受験の裏側

ライター。一般的なサラリーマン家庭で育ち、公立で小・中・高を過ごす。都内の大学卒業後、プチセレブな夫と出会い、結婚。女児の母。庶民との差に日々驚きつつも、平然なふりを装ってアセアセと暮らしている。 TOKYOお受験の裏側