【小学校お受験】終えてわかった!合格のカギを握る“校風と家風”の相性

庶民嫁が見た! 受験本ではわからないTOKYOお受験の裏側⑫

ライター:華子

それというのも、我が家も含め小学校受験をした家庭のほとんどが、合格と共に不合格も経験しているからです。「本命以外は全滅」ということもざらにある。入学試験が筆記一本という学校はないので、なぜ合格したのか、どうして不合格だったのか、明確な理由は分からないのです。

周知のとおり、小学校受験は学校間に偏差値的な優劣はありません。だから、その子にとって難しいと感じる内容の試験をするところもあれば、そうでないところもある。要するに「相性」が合うかどうかなのでしょう。

そう考えると、大手お教室の先生がよく「小学校受験は、家と学校の“お見合い”のようなもの」と言っていたことや、小学校受験の合格を「ご縁」とあらわすのも納得です。

つまり、選択した学校の校風と、受験者の家庭の家の雰囲気がマッチするかどうかが、入学試験の最重要ポイントになるのではないかと思うのです。

学校側からすると“先々のトラブル”を避けるためにも、お互いの価値観がピッタリ合うかの確認は必要不可欠。学科試験なく未就学児を選ぶのだから、入学後の生徒の心と体の発達に影響を与える家庭の雰囲気や教育方針などはもっとも知りたいところでしょう。

そう考えると、たった数時間の試験でみえる子どもの能力よりも、その子のバックグランドの方がはるかに気になるポイントではないでしょうか。

それを裏付けるように、入学すると、合格した子どもの個性はバラバラでも、親の方はなんとなく統一性があることに気付きます。それは、私立小学校が多い地区でお茶をしているママの団体を見れば、おおよそどこの学校のママか分かるほど。

たとえば、A校のママたちは華やかできらびやか、B校のママは清貧でつつましやかな印象、C校はカジュアルなママが多く活発なイメージ……などと、学校によって親の雰囲気がわりと違うのです。

子どもたちの方も、入学当初こそ十人十色ですが、6年の歳月を経ていくうちに不思議と「〇〇小学校らしい子」になってきます。それも学校が校風に沿う家庭を選んでいるからなのでしょう。

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学校と我が子&我が家の客観視が重要

では、受験校の選択を間違わないためにはどうすればいいのか。それは「我が子と自分たち家族を客観的にみること」を常に心がけることです。そうすると、時間と共に家庭と学校の雰囲気が合うかどうかは自然と分かってきます。

一歩引いてみると、お教室の先生や周りの人たちがさりげなく助言をしてくれていることにも気付きます。なかには目を背けたくなるような現実や、耳の痛い指摘もあるでしょう。でも、その「客観的視点」を素直に受け入れ、柔軟に対応していくことができるかどうかで明暗が分かれるような気がするのです。

つまるところ、「ご縁」を頂けるのは、周りの人たちの支えによるところが大きいのです。
私も振り返ってみると、家族、お受験ママ友、お教室の先生や山の手マダム……、それら全て人々との関わりと教えが合格への道筋につながったと感じます。

しかし、たとえ選択校を誤り残念な結果となったとしても、お受験で身についた勉強習慣を継続していれば、それなりに高い学力が伴ってくるので悲観することはありません。失敗を引きずり停滞したままでいるか、「新しく別の道が開けた!」とポジティブ&ハッピーな気持ちで上昇するかは、つまるところ親次第なのです。

入学後続出!品格を失う子どもと起業ママ

では、晴れて入学した希望の私立小生活とはどのようなものでしょう。

あれほど、山の手マダムに強調された「子どもの品格」#3は、残念ながら、よほど躾(しつけ)に厳しい学校でない限り2年ほどで消え去ります。それはそれは無残なものです。「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹(ぼたん)、歩く姿は百合(ゆり)の花」と鍛えられたはずの娘も、あっという間に外股猫背に逆戻り。軍隊ばりに規律正しく叩き込んだ生活習慣すら今やグダグダ、起きた後のベッドを整えないどころか、パジャマも脱ぎ捨てたまま平然とふんぞりかえっています。

あれ? 5歳までに身につける「品格」って? 

しかし、気配だけはまだ残っているようで、ここぞという場面ではそれらしき雰囲気をほんのり匂わせてきたりする。それが5歳まで徹底的に仕込んだ、いわゆる“品格”の成果かと思うと、脱力感しかありません。普段は奥底に眠っているそれが常に表面に現れるよう、今は忍耐強く磨き続けるしかない。そう、しつけ道は根気がいるのです。

一方、ママの方はといえば……。
入学して1年もすると、お教室の先生を始めるママがチラホラ出現します。「あの絶対的権力を持つお教室の先生って、そんなに簡単になれちゃうものなの!?」と驚くことしきり。

しかし、考えてみると、教員の免許が必要なわけでもなく、紹介制の現金払いで、マンションの一室でも始められる個人のお教室は、お受験合格を経験した主婦にとって一番お手軽なスタートアップなのかもしれない。

投じた資金をきっちり回収しようとするお受験ママたちの「転んでもただでは起きない」タフなバイタリティには脱帽です。

小学校のトラブルは親が毅然と対処

最後は、皆さんもっとも気になるだろう「学校のいじめ」です。

こればかりは「名門私立小だから大丈夫よ〜!」というわけはなく、どこの学校でも大なり小なり必ずあります。私立は隠す能力が高いので一般的にはなかなか見えてきませんが、どんなに学校側が秘密にしようと「〇〇小学校でいじめ発生!!」という情報は、瞬く間に都内私立ママコミュニティの間に広がり共有されます。

では、もし、自分の子がその渦中に置かれたら?

これだけは言えます。
これは最終的に親が解決するしかない。結局のところ、親以外に我が子を救える人はいないのです。

親が“命懸けで子育てしている”姿は、必ず子どもに伝わります。自分のために何を犠牲にし、どのような行動を取るか。その覚悟を見せ続けていくことが大切だと思うのです。

子どもはしっかり見ています。その過程があれば、結果がどうあれ、少なくとも子どもの心が孤独を感じ離れていくことはありません。「自分には絶対的な味方がいる」と確信することができれば、その子はきっと大丈夫。自力で立ち上がり、また歩いていけます。

これから果てしなく続く人生、何度倒れても起き上がる「生きていく力」を教育できるのは、やはり親しかいないと思うのです。

〜華子から小学校お受験卒業の皆さまへ〜

①    勉強は継続が大事。将来必ず結果はついてきます

②    身につけた「品」は奥底に眠っている。忍耐強く磨き続けましょう

③    トラブルは親子の絆を深めるチャンス。しっかり「親の背中」を見せましょう

④    小学校生活も予期せぬことばかり。お互い頑張って6年間を乗り切りましょう

※この記事は、ライター華子の個人的体験及び感想に基づくものです。私見のため、一般的な見解とは異なる場合があります。また、一部については創作的表現が含まれております。

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はなこ

華子

ライター

ライター。一般的なサラリーマン家庭で育ち、公立で小・中・高を過ごす。都内の大学卒業後、プチセレブな夫と出会い、結婚。女児の母。庶民との差に日々驚きつつも、平然なふりを装ってアセアセと暮らしている。 TOKYOお受験の裏側

ライター。一般的なサラリーマン家庭で育ち、公立で小・中・高を過ごす。都内の大学卒業後、プチセレブな夫と出会い、結婚。女児の母。庶民との差に日々驚きつつも、平然なふりを装ってアセアセと暮らしている。 TOKYOお受験の裏側