「Chat GPT」丸投げはNG……「子どもの言語能力を伸ばす」驚きの活用方法があった!

文章の専門家・山口拓朗さんに聞く 小学校低学年の子の語彙力と表現力を上げるための親の取り組み #3 話題のChatGPTを活用する方法

ChatGPTをアシスタントにする

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─────指示や質問の内容が、回答を左右するんですね。ChatGPTを「インプットとして使う」とのことでしたが、言葉を調べる以外の使い方はありますか?

山口さん:親自身の言語能力を伸ばすために、ChatGPTを「ゲーム」として使ってもよいでしょう。特にしりとりなど、言葉遊びをするゲームの相手には最適です。

例えば連想ゲームをするとします。一つのテーマについて、「お互いに10個出し合いましょう」と指示すれば、ChatGPTはそのとおりに付き合ってくれます。

「最後にどっちが勝ったか判定してください」と指示すれば、この場合、勝ち負けの基準があいまいなので、はっきり勝敗をつけずに「引き分け」とすることもあるんですよ。

─────AIはあまり感情がないといわれていますが、ちょっと気を遣うあたりは、人間っぽいですね。

山口さん:そうですね。

ChatGPTは、言葉の意味を調べることと、言葉遊びのほかに、インタビューをしてもらうのにも使えます。

例えば、海水浴へ行ったときのことを作文に書きたいときは、「海水浴の作文を書きたい」と指示します。「どういうことを書いたらいいか、自分の中から取り出したいので、10個質問してください」と加えれば、海水浴に関する質問を10個出してくれます。

その質問に答えていくと、作文になるといった具合です。自問自答は、小学生はもちろん、大人にとっても難しいものです。子どもへの質問をChatGPTに考えてもらったら、次に、親がその質問を使ってお子さんにインタビューをしていくわけです。

さらに、海水浴場の名前、天気、何を食べたかなど、情報を与えれば与えるほど、いいアウトプットが出てきます。

ChatGPTの考えた質問が変なときには、指示を変えていかなければなりません。欲しい答えが返ってくるような指示や質問を考えることで、親自身の言語能力も伸ばしていくことができます。

子どもにとっては、インタビューの質問を考える人が、親であるかChatGPTであるかは重要ではありません。むしろ、両者の質問を織り交ぜることで、子どもは幅広い質問に答える筋肉がついていきます。ChatGPTを使うことで親の語彙力も伸びていくため一石二鳥です。

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