熊本発・探究学習で成績もアップ! 子どもたちに「生きた知識」が身についた理由

【小学校教育2.0】熊本市立弓削(ゆげ)小学校・松永先生の挑戦#2 「探究学習の成果」

友達と一緒にいきいき学ぶ姿を見て、河津先生の考えは大きく変わりました。

自分のペースで学ぶことができる環境であれば、もっと多くの時間(授業)をたくさんの友達のなかで学んだほうが、子どもたちのプラスになるのではないかと考えたそうです。

そして、特別支援学級の子どもたちに意見を聞いた上で、今年(2022年)の2学期から、算数の授業も同じ教室で行うことになりました。

「僕のクラスの算数の授業は、自由進度学習で進めているので、それぞれが自分のペースで、自分に合った方法で学んでいます。だから、特別支援学級の子たちが一緒に参加しても、全く問題ありません。

子どもたちも、『人それぞれ学ぶペースは違う』ということが当たり前だと思っているので、特別支援学級の子だからどう……という意識もないですね。

先生も含めて、人数が増えた分教えてもらう人、教える人が増えて、みんなにとって良いのではないかと思います。

こうした、それぞれのペースや個性を尊重した学びが当たり前になれば、支援の必要性の有無でクラスを分ける必要もなくなるのかなと思っています」

自分のペースでのびのびと自由進度学習に取り組む子どもたち。  写真提供 松永賢斗氏

今後社会で生きていくためには、多様性への理解は不可欠といえます。

お互いを尊重しながら、共に助け合うプロジェクト型探究学習、そして自由進度学習(学びの個別化・協同化)は、子どもたちが今後、多様なメンバーで構成される社会生活を送る上でも、有意義な学びと経験を与えてくれています。

第3回は、松永先生が実践する学びの個別化・協同化の手法である「自由進度学習」について、その効果を最大化するための工夫とポイントについてうかがいます。

取材・文 川崎ちづる

【小学校教育2.0】熊本市立弓削(ゆげ)小学校・松永賢斗先生の挑戦は、全4回。※公開日までリンク無効

#1 子どもの「学びたい」があふれ出す プロジェクト型探究学習の中身とは?
#3 自由進度学習成功のカギ 子ども同士のコミュニケーションを育てるには?
#4 大人の「待つ姿勢」が子どもを育てる 自由進度学習の広がりがもたらすもの

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かわさき ちづる

川崎 ちづる

Chizuru Kawasaki
ライター

ライター。東京都内で2人の子育て中(2014年生まれ、2019年生まれ)。環境や地域活性化関連の業務に長く携わり、その後ライターへ転身。経験を活かし、環境教育や各種オルタナティブ関連の記事などを執筆している。WEBコラムの他、環境系企業や教育機関などのPR記事も担当。

ライター。東京都内で2人の子育て中(2014年生まれ、2019年生まれ)。環境や地域活性化関連の業務に長く携わり、その後ライターへ転身。経験を活かし、環境教育や各種オルタナティブ関連の記事などを執筆している。WEBコラムの他、環境系企業や教育機関などのPR記事も担当。