【中学受験】に役立つ「親子で読みたい物語」8選 2020年度最多出題数を誇る王道作品〜最新出題まで

『十四歳日和』『雪の日にライオンを見に行く』『光のうつしえ』『物語ること、生きること』…

児童図書編集チーム

桜蔭や灘、多数の難関校で出題された作品とは?

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作品名:『物語ること、生きること』
著者:上橋菜穂子・瀧晴巳

【あらすじ】
人はなぜ物語を必要とするのか。自分はなぜ物語をつむがないといられないのか。どうしたら自分だけが書くことができる物語にたどりつけるのか。「獣の奏者」、「守り人」シリーズなど、ベストセラーを生みつづける作家・上橋菜穂子が、原体験となった祖母の昔話から、自作の誕生秘話までを語る。読むことの喜び、書くことの喜び、そして生きることの喜びを教えてくれる一冊。

出題ポイント】
桜蔭中学校、灘中學校、雙葉中学校など多数の難関校で出題され、単行本発売から10年経った今でも入試問題として使用され続けています。中学受験を志す方なら、必読の一冊です!
親子で「なぜこの本が長く中学受験の素材文として出題されているのか」を考えてみると、中学受験に出題される作品の傾向を摑むことができるかもしれません。

作品名:『十二歳』
著者:椰月美智子

【あらすじ】
小学6年生の鈴木さえ。友だちもいっぱいいるし、ポートボールに情熱を燃やす楽しい毎日を過ごしていたのに、突然何かがずれ始めた。頭と身体がちぐはぐで、なんだか自分が自分でないみたいな気がする。それはいきなりやってきた頭痛といっしょに、さえの気持ちを不安にさせる。大人になったら、自分は特別な「何か」になることができるのだろうか? それまでの自分とは、まったくちがってしまった自分をみつめる、さえの「十二歳」の1年間を描く物語。

【出題ポイント】
椰月美智子さんの作品は毎年多数の学校で出題されています。なかでも『十二歳』は受験生と同じ小学6年生が主人公ということもあり、『しずかな日々』と同じく、多数の学校で出題されました。思春期を迎えた子どもの心情を瑞々しく描いた一冊です。

中学生が主人公の作品も出題の傾向にあります!

作品名:『ハーベスト』
著者:花里真希

【あらすじ】
人と話すのが苦手で本好きなぼく、彫りの深い顔立ちで少し怖かったけど実は優しい虫好き西森くん、いつもユニコーンのぬいぐるみを抱えた長いおさげでアメリカからの帰国子女の先輩アズサ、それぞれの事情を抱えた3人がフランス語で菜園を意味する「ポタジェ」を作るために顧問の平林先生と奮闘する物語。

【出題ポイント】
小学生でも読みやすく描かれている中学生が主人公の物語文は中学受験でも多く出題しています。本作はさまざまな悩みを抱えた3人が園芸部で心を通じ合わせる物語。3人の悩みの理由や心情の変化を想像しながら読むことで、「他者理解」を深めるきっかけにつながります。

作品名:『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』
著者:こまつあやこ

【あらすじ】
タイトルは、マレーシア語で「五七五七七」という意味。
中2の9月に、マレーシアからの帰国子女になった沙弥は、日本の中学に順応しようと四苦八苦。ある日、沙弥は延滞本の督促をしてまわる3年の「督促女王」に呼び出されて「今からギンコウついてきて」と言われ、まさか銀行強盗? と驚くがそれは短歌の吟行のことだった。短歌など詠んだことのない沙弥は戸惑う。しかし、でたらめにマレーシア語を織り交ぜた短歌を詠んでみると……。

【出題ポイント】
本作は中学2年生の少女が主人公の物語文です。「短歌」という日本の文化が題材となっている点や、マレーシアと日本の学校の違いなど中学受験の題材として好まれやすい作品となっており、2019年度の最多出題作品として多くの学校で出題されました。
また、本作は第58回講談社児童文学新人賞を受賞しています。

2020年度入試で最も出題された中学受験の王道作品とは?

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