15歳娘に「42歳母」が妊娠を伝えたとき 人気美容外科医が語る「ステップファミリー」

美容外科医・上原恵理先生へ聞く「15年ぶりの妊娠・高齢出産」 #2 15歳の娘への妊娠の伝え方と妊娠中の夫との生活について

美容外科医:上原 恵理

妊娠を聞いた15歳娘からの意外な3つの返答

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上原恵理先生(以下、上原先生):まず、今回妊娠が判明したとき、私が高齢出産ということもあって、万が一子どもに何らかの障害や、私の健康に問題があることがわかったら、その状態のまま出産に突き進む気はあまりありませんでした。いや、実際には、そういう検査結果が出たらどうしたかは、経験しなかったので分かりませんが、妊娠後はいろいろな検査をしていた時期がありました。

結果としては大きなトラブルはなく、出産する方向に固まったのですが、結果が出るまでの期間は、子どもには伝えませんでした。結果が出て、安定期に入り、自分の中で「産むぞ」という決意が固まって、初めて娘に話しました。

とは言っても、かしこまって「話があるの」という感じではなかったですね。ダイニングテーブルに娘が座っているとき、「あのさー、ママ赤ちゃんできたんだよね~」って。普通に「今日ケーキ買ってきたよ~」というようなトーンで、ふわっと言ったら、娘も「マジ? マジ?」っていう感じで返してきましたね(笑)。

娘さんにはカジュアルに伝えたという上原先生。

上原先生:それから、娘から3つの言葉が返ってきたのですが、1つ目は「どうしよう、私より美少女が生まれたら」って。えっ、そこ? って思いましたね(笑)。きょうだいにライバル視するのかっていう。

2つ目は「ってか、ママまだしてるんだね」って。これに対しては、照れくささを感じるよりも、驚きのほうが大きくて。「お、おおん……」としか返せませんでした(笑)。でも後で考えれば、思春期なので性的なことに興味のある年頃だしな、と納得して。

私は妊娠を望んでいたとはいえ、普通にお酒を飲み、全く仕事をセーブするようなことのない生活の中での自然妊娠だったので、娘からはそう見えたところもあるのかもしれません。

3つ目は「今じゃない!」って言われました。私が「前にきょうだいが欲しいって言ってたじゃない」って言ったら、「それは小学生のときであって、今だと15歳も離れているじゃん。産んだ後、ママのことだから私に面倒みてとか言うんでしょ!」なんて言われちゃいましたね(笑)

その後も、娘から私に対して、妊娠出産に関するネガティブな感じを持っている様子はみられないですね。

「ちなみに、娘が一番喜んだのは、赤ちゃんの性別がわかったときで、『おとこの子らしい』と伝えたら『よかった! 美少女にはならないから比べられないね』って(笑)」(上原先生)

母・子はフランクな関係性

──そんなやり取りをお聞きすると、普段からの母娘関係がとてもいいのかなと思いました。

上原先生:そうですね。「母・娘」という、明確な上下関係のようなものは、会話の中ではあまりないほうかもしれないですね。友達とまでは言いませんが、かなりフランクな関係です。

ついこの間も、「赤ちゃんが生まれるから、少し広いところに引っ越しする?」と話していたとき、娘に「大学生になって一人暮らしをしたら、部屋が要らなくなっちゃうね」と言ったら、「一人暮らしなんてしないよ~」って。「彼氏ができて家に呼びたいとき、一人暮らしのほうがいいんじゃない?」って言ったら、「小さいアパートで一人暮らしするより、親と一緒の快適な家のほうがいいじゃーん!」って。彼は普通に家に呼ぶから、と言っていました(笑)。

オープンな性格ですよね~。わが家は特別な性教育はしていませんが、こんな会話はいつもしていますね。

現・夫と娘との関係とは

「夫と娘はよく一緒に買い物に行っていますね」(上原先生)。

――現在の夫と娘さんはどのような関係を築いているのでしょうか?

上原先生:娘の父親とは離婚しているので、現在お腹にいる子の父親と娘は血のつながりはありません。でも、その辺りを娘自身が引け目に感じていることもないように思います。というのも、私が不在のときは、今の夫を連れて買い物に行ったりして、たくさん買ってもらっているようで(笑)。仲良くやってくれているので、ありがたいし、素直に嬉しいですね。

15歳だと、親のことより自分のことが楽しい時期でもあるので、妊婦の私を特別労ってくれるという感じでもないのですが、それをうまく夫に任せている部分もあります。

最初の夫については、私が若くして妊娠していたとき、相手も若かった。だから、「自分の人生を楽しみたい」という気持ちがあったんじゃないか、と。それに、それをコントロールできる年齢じゃなかったと思うんですね。私が妊娠していても夜通し遊びに行っちゃったりして。一緒に出産の準備をして妊婦の間を過ごすというのはなかったし、そういう姿を見て、不信感とか、ネガティブな感情が妊娠期間を通じてどんどん芽生えていってしまって。

今の夫は非常に献身的です。今、私は家にいるとき、ソファーでゴロンと休んでいることばかりなんですけど、そんな私を見ても、文句はもちろん言いませんし、家事をすることを何も要求してきません。

「日々変わる食べたいものを、いつも買ってきてくれて本当にありがたいなと思っています」(上原先生)

上原先生:妊娠前からお互い仕事が忙しいので、掃除と洗濯は家事代行サービスを入れているのですが、それ以外の、日々の食事や食器の洗い物、買い物とかは全部夫がやってくれます。

自分の食べたいものは自分で作っていますし、妊娠中日々食べたいものが変わる私の食べ物についてはいつも買ってきてくれます。最近では、だんだんお腹が大きくなって、お風呂に入るのも大変なのですが、それも手伝ってくれますね。靴下を履くとか、お腹が大きくてつらい動作は全部助けてもらっています。

夫からは、家で私が「しなくちゃいけないこと」を全く要求されないんです。なので、仕事に行って働くけれど、家に帰れば自分の体調に合わせた自分のペースで体を休められる。そういう環境を提供してくれていることにすごく感謝していますね。

前回は、日に日に不信感が募って関係性が悪化しましたけど、今回は日に日に感謝の気持ちが高まっていくばかりで。妊娠期間中の夫婦の関係は本当に大事だなと思いますね。

───◆──◆───

仕事が多忙ながら、「夫は出産に向けて在宅勤務を増やすなど、働く態勢を整えてくれようとしている」とも話してくれた上原先生。

次回3回目では、妊娠後期の現在に準備をしていることや、美容外科医として、妊娠中や産後の美容についてお話しいただきます。

取材・文/浅妻千映子
撮影:日下部真紀

上原医師のインタビューは全3回。
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うえはら えり

上原 恵理

Uehara Eri
美容外科医

美容外科医、美容皮膚科医、美容クリニック「THE ONE.」院長。日本形成外科学会認定専門医。 群馬大学医学部医学科卒業後、2006年東京大学医学部付属病院勤務、2010年帝京大学医学部付属病院勤務、2018年都内美容クリニック勤務の後、2020年神楽坂に開業。2021年虎ノ門に『THE ONE.』開業。 形成外科学会では登壇者の5%ほどしかいない女性医師として数多くの学会に登壇。国内にとどまらず、海外の学会にも数多く参加。これまでに積み上げた確かな技術と実績で、数多くの患者様から信頼を得ている。 また、医師として正しいホームケアと美容医療の情報をSNSで発信。SNSのフォロワーは合計約30万人。 主な著書:『すっぴんクオリティを上げるさわらない美容』、「医者が教える人生が変わる美容大事典」(共にKADOKAWA) THE ONE.  https://theoneclinic.jp/ https://www.instagram.com/eri.uehara/

美容外科医、美容皮膚科医、美容クリニック「THE ONE.」院長。日本形成外科学会認定専門医。 群馬大学医学部医学科卒業後、2006年東京大学医学部付属病院勤務、2010年帝京大学医学部付属病院勤務、2018年都内美容クリニック勤務の後、2020年神楽坂に開業。2021年虎ノ門に『THE ONE.』開業。 形成外科学会では登壇者の5%ほどしかいない女性医師として数多くの学会に登壇。国内にとどまらず、海外の学会にも数多く参加。これまでに積み上げた確かな技術と実績で、数多くの患者様から信頼を得ている。 また、医師として正しいホームケアと美容医療の情報をSNSで発信。SNSのフォロワーは合計約30万人。 主な著書:『すっぴんクオリティを上げるさわらない美容』、「医者が教える人生が変わる美容大事典」(共にKADOKAWA) THE ONE.  https://theoneclinic.jp/ https://www.instagram.com/eri.uehara/

あさづま ちえこ

浅妻 千映子

料理研究家・ライター

料理研究家、フードライター。東京都出身。『dancyu』、『Figaro』、『Pen』、『サライ』等の雑誌やオンラインを中心に、主に食や料理人について執筆。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート。身近な素材を中心に、短時間で作れる料理や、ちょっとおしゃれなおつまみレシピが得意。ワインスクール「アカデミー デュ ヴァン」でワイン&クッキングクラス担当。子育てのストレス解消は水泳。1児の母。 <主な著書> 『ほめられレシピ』主婦と生活社/『浅妻千映子キッチン』ぴあ/『パティシエ世界一』PHP文庫(辻口博啓シェフと共著)、『江戸前「握り」』光文社新書(荒木水都弘さんと共著/『東京広尾アロマフレスカの厨房から』光文社新書(原田慎二シェフと共著)など。また、毎年刊行されるレストランガイド『東京最高のレストラン』の選者の一人。

料理研究家、フードライター。東京都出身。『dancyu』、『Figaro』、『Pen』、『サライ』等の雑誌やオンラインを中心に、主に食や料理人について執筆。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート。身近な素材を中心に、短時間で作れる料理や、ちょっとおしゃれなおつまみレシピが得意。ワインスクール「アカデミー デュ ヴァン」でワイン&クッキングクラス担当。子育てのストレス解消は水泳。1児の母。 <主な著書> 『ほめられレシピ』主婦と生活社/『浅妻千映子キッチン』ぴあ/『パティシエ世界一』PHP文庫(辻口博啓シェフと共著)、『江戸前「握り」』光文社新書(荒木水都弘さんと共著/『東京広尾アロマフレスカの厨房から』光文社新書(原田慎二シェフと共著)など。また、毎年刊行されるレストランガイド『東京最高のレストラン』の選者の一人。