妊娠中の美容ケアは「保湿と日焼け止めだけでいい」15年ぶりの妊娠中・人気美容外科医が断言！

15年ぶり２度目の妊娠も後期に入り、どんどんお腹が大きくなってきていると話すのは、人気美容外科医・上原恵理先生。

出産予定日が近づいてきている今、どんな準備をしているか。また美容外科医として、この時期にやっていることや、妊娠中・産後の美容についても教えていただきました。

（全３回の３回目。１回目を読む。２回目を読む）

──現在は妊娠後期を迎えられて、出産に向けて用意をしているものなどはありますか？　15年振りの出産だと、赤ちゃんのものもすべて一から揃えることになるのでしょうか？

上原恵理先生（以下、上原先生）：はい、そうなりますね。今はまだ購入したものはありませんが（2023年11月現在）、ベビーカーだけは予約しました。１回目でも、15年前と子育ての環境の変化をお話ししましたが、ベビーカーもいろいろと進化しているのを感じました。

例えば、15年前はペットボトルを入れるカップホルダーは付いていたけれど、今のベビーカーには、スマホホルダーが付いているのが当たり前に！　ささいなことかもしれませんが、時代を感じました。

ちなみに、いろいろ調べて今回は電動アシスト付きのものにしました。というのも高齢出産なので、坂道で押すのが楽になるように、と（笑）。

前回のときはベビーカーを２台持ちで使いわけていましたが、軽量コンパクトなベビーカーを買うかどうかは、移動するようになってから検討しようかな、と思っています。子育てって、用意したものを意外と使わなかったりするのを過去の経験で学んだので。

上原先生：あとは、15年前にはなかったものとして、液体ミルクも使ってみたいと思っているものの一つです！　

昔を振り返ると、粉ミルクの作り方ひとつとっても、無駄に育児を面倒にさせることが多かった気がします。15年経って、丁寧な暮らしばかりが推奨されるのではなく、母親の負担を減らすことができる合理的な選択肢が増えたのは、いいことだと感じています。

私はすぐそういうのは受け入れるタイプなので、ありがたいですね。

──上原先生は美容外科医としてスキンケアの開発などもされていますが、妊娠中の美容についても教えてください。

上原先生：妊娠中は、肌が敏感になる人が多いですね。私自身も、これまで肌が敏感だと認識したことはなかったのに、今回は今まで使っていた普通のスキンケアや、妊娠中に使っても問題のないビタミンCの美容液でも肌が真っ赤に！　衣類の素材もウールや、ポリエステルは汗を吸収しないので痒くなってしまって……。

どれも前回はなかったので、年齢の問題なのか、お腹にいる子どもの性別の違いもあるのか？　理由はわからないのですが、何にしても妊婦さんは、肌が敏感になりやすいと思っていたほうがいいと思います。

では、どんなケアをするといいのかといえば、この期間は日焼け防止と保湿だけで十分だと思います。敏感肌用など、なるべく優しい成分のものを見つけて、肌に合うものを普通に使ってください。私もそれ以外のケアは今、していません。

というのも、妊娠中は女性ホルモンのバランスをはじめ、ホルモンバランスが通常のときと全く違うので、どんなに肌のケアを頑張っても、その変化を乗り越えるほどの結果を出すのは難しい。どうせがんばるのなら、出産後のほうが、圧倒的にコスパがいいですね。今は、「期間限定」の特別なときだと割り切りましょう。

上原先生：産後については、ホルモンバランスが安定しない時期があったり、授乳中だったりしますが、美容外科的に言えば、全部の施術ができないわけではありません。自己判断せず、産後は医師と相談して、できる範囲の美容ケアをしたらよいかと思います。

あとは、万が一、妊娠出産でトラブルがあったとき、「あのとき私が美容のあの施術をがんばっちゃったせいなんじゃないか」と自責の念を持つこともあるかもしれない方の場合は、特に控えたほうがよいです。

「もう何をやっても問題ないよ」と、医師のお墨付きが出る時期まで待ったほうが、精神的にも安心ですよね。私もそのように伝えています。

──現在、妊婦の方に何かアドバイスをいただけますか。

上原先生：妊娠中は、肌に限らず、何かとデリケート。私は３人きょうだいですが、母によるとそれぞれの妊娠期間で体調は全く違ったとのこと。前回大丈夫だったから今回も平気とは言えないし、みんな不安も多いと思います。

私は今回、つわりがひどく、食べ物の好みもしょっちゅう変わっています。この間まではチョコレートのアイスばかり食べていましたが、今はなぜかもやし（笑）。もやしばっかり食べて、栄養的にどうなんだとも思うんですが、担当の産婦人科の先生が「赤ちゃんはちゃんと育っているし、まあいいんじゃない」と言ってくれるのでありがたいです。

このように私自身は「丁寧で、きちんとした妊婦じゃなくちゃいけない」という追い詰め方をしないで過ごしています。お母さん自身が、ある程度おおらかに過ごすことが、妊娠中を含め、何事にも大事なんじゃないかと思っています。

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妊娠・出産が、人生のどのステージでやってくるかは人それぞれです。体調も産後の働き方もまた然り。

妊娠中は、誰もが何かしらの不安を持つことがあると思いますが、上原先生の言うように、すべての妊婦さんがどうかおおらかな気持ちで過ごせますように。

上原先生、ありがとうございました。

取材・文／浅妻千映子
撮影：日下部真紀

上原医師のインタビューは全３回。
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