白ごはんがもっと好きになる! 新米の季節におすすめのお米の絵本3冊[子どもの本専門書店・店長が厳選]

子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #5~お米の絵本~ (2/4) 1ページ目に戻る

ブックハウスカフェ店長:茅野 由紀

「ごはんっていいな」を再認識する一冊

最近、米不足や米価格の高騰が大ニュースになりましたが、お米は私たちの暮らしになくてはならないもの。特に秋から冬にかけて出回る、新米のおいしさは格別ですよね。

食料自給率が極端に低い日本で、お米はとっても大事な農作物ですし、絵本を楽しみながら、お米を大好きになってほしい。絵本を贈るお子さんやご家族に、そんな想いまで伝わるような3冊を選んでみました。

最初にご紹介するのは、原田しんやさん、関かおりさんの夫婦イラストユニット・はらぺこめがねによる『ごはん山』(白泉社)。

はらぺこめがねは、ほかにも『おにぎり ぱく!』(白泉社)、『かける』(佼成出版社)など、おいしそうな食べものが登場する絵本をたくさん出版されていて、子どもたちへの読み聞かせ会でも大人気。

中でも『ごはん山』は、子どもたちの反応がとてもいいので、私もよく読んでいる一冊です。

『ごはん山』(著:はらぺこめがね/白泉社)
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この絵本の魅力は、なんといっても、おいしそうなごはんの絵! こんもりと茶碗に盛られたごはんは、本当に粒が立っていてツヤツヤで、まさしく“銀シャリ”。湯気のあたたかさまで伝わってくるようです。

そんな炊き立てのごはんを囲んで、ごはん大好きな親子が話しています。

「やったー ごはんごはん なんだか おやまみたい」
「うめぼしを のっけたら すっぱやまだ」

そこからユニークな“ごはん山”が次々に登場し、親子はその山を登っていきます。ふりかけをかけた「しゃかしゃか山」、納豆をのせた「ねばねば山」、3つのおにぎりが連なる「さんかく山みゃく」、サクサクえび天がのった「どんぶり山」……。

ごはん好きにはたまらないメニューばかりで、お子さんは思わず絵本に手を伸ばしてしまうかも。

そして、待ち構えていたのは、真っ白なごはんの「しろめしアルプス」。山頂を越えて下っていると、カレーの雪崩れに巻き込まれて、さぁ大変! なんとか逃げ切り、ふーっとひと息ついたところで、最後に現れたのは──?

迫力のある絵と緩急のついた構成は、見事のひとことです。お茶碗に盛られたごはんが山のように見えるのは、どんぶり文化のある日本人のDNAなのでしょうね。「ごはんっていいね」「おいしいね」と、親子で改めて感じてもらえると思います。

次は外国人にも喜ばれる“おにぎりがにんじゃ”の絵本!?

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