
紫苑が独裁者になる資質と「2つのマグカップ」に隠された本音──あさのあつこが語る、紫苑とネズミの“いま”
『NO.6[ナンバーシックス]再会#2』の鋭い感想が続出! (2/3) 1ページ目に戻る
2026.07.08
ライター:山口 真央
多忙を極める紫苑は休みの日に何をしていた?
──「NO.6」シリーズを読んで、疑うことの難しさを知りました。疑いはじめると果てがなくなって、なんでも疑わしく思えてくるからです。でも、私はそれを放り出さない大人になりたいです。私の目標はイヌカシです。誰かを必死に守り抜く姿は本当にかっこいいです。理想的な人間になることは険しいと思います。先生は自分が理想とはほど遠いと気づいて自分が嫌いになったとき、どうしていますか。
あさの 逃げ出したいと思うことは私もしょっちゅうありますよ。自分に失望することだってたくさん。きっと熊に遭遇しても、旦那を差し出して私は逃げるでしょう(笑)。
私はありがたいことに物語を書かせていただいているので、紫苑やネズミ、イヌカシを含め、私が書いた人たちのことだけは裏切るまいと思っています。たとえばネズミが前シリーズで言っていた「言葉を免罪符にするな」「すぐ謝るな」「自尊心を勝手に満足させているだけ」なんて言葉は、自分自身に言われているようにも感じていて。彼らに恥ずべき行動はしたくないですね。
──「NO.6再会」シリーズを読んで、ネズミが成長していると感じました。16歳のときは紫苑に対してあえてそっけなくしているように感じていたのですが、2年経ったネズミは紫苑を抱きしめたり手に手を重ねたり、紫苑への気持ちを前よりも素直に表現していて、包容力も上がっているように見えます。このようなネズミの変化は、どのような心境の変化によって起こったのでしょうか。その変化にネズミ自身も気づいているのでしょうか。
あさの 前シリーズでは、ネズミは一本の芯があるブレない人だと思っていたのです。でも今シリーズを書いていて、めちゃくちゃ弱い人かもしれないと感じられて。きっと「NO.6」への憎しみが剝がれたときに、紫苑に対する想いが彼を変化させて、彼を溶かしたのかなと。
硬直していると跳ね返すことしかできないけれど、粘土みたいに柔らかければ形を変えられたり、受けとめたりすることができるじゃないですか。そういう変化があったから、ネズミに包容力が出てきたのかもしれません。
──紫苑が再生委員会の委員長として、多忙を極めていてとても心配です。紫苑がもし、もしお休みをとれたら、なにをすると思いますか。
あさの ネズミが帰ってくる前の紫苑は、西ブロックに通って掃除したりしていたと思います。それかネズミの部屋で本を読んでいたのかも。その後にイヌカシのところで犬の世話をして、火藍のパンを食べながら紅茶をご馳走してもらったりしていたんじゃないでしょうか。
──『NO.6 beyond』の発売当時、紫苑は独裁者として変容していく道を示唆されているのかと不安を感じたこともありました。再会シリーズを執筆する上で、イメージされていた紫苑と、当時想定されていた未来の紫苑との違いはありますか。
































