【11~12歳】児童期から思春期へ移行する「小学校高学年」にピッタリな絵本 国立小・元司書教諭が厳選

【絵本でことばを育んだり心を耕したりすることで、国語力の素地を養う#7】親子で一緒に楽しむことから始まる読書習慣

【11~12歳】小学校高学年の子どもたちにおすすめの絵本はこちら

『おおきな木』
出版社:あすなろ書房 
作・絵:シェル・シルヴァスタイン 訳:村上春樹

いつでも変わらずそこにあるリンゴの木、成長し変わっていく少年……。それでもリンゴの木は、少年に惜しみない愛を与え続けてくれました。愛とは何かを考えさせられるシェル・シルヴァスタイン作のロングセラー。成長の過程で、何度でも読み返したくなる絵本です。

『葉っぱのフレディ――いのちの旅――』
出版社:童話屋 
作:レオ・バスカーリア 絵:島田光雄 訳:みらいなな

主人公の葉っぱのフレディと親友のダニエルの会話を通じて、「生きるとはどういうことか」「死とは何か」を考えさせられる一冊。季節の移ろいとともに変化していく木の様子が、美しい写真と水彩の挿絵で表現されているところも見どころです。

『100万回生きたねこ』
出版社:講談社 
作・絵:佐野洋子

100万回死んで、100万回生きたねこがいました。あるときは船のりのねこ、あるときはサーカスの手品つかいのねこ、どろぼうやおばあさん、小さな女の子のねこにもなりました。彼らはみんなねこを可愛がり、ねこが死ぬと泣きます。でもねこは1回も泣きませんでした……。ねこの人生一つ一つにストーリーがあり、子どもたちの想像力も搔き立てられる一冊です。

読み聞かせの頻度も少なくなってくる高学年。慌ただしい日常で、親子間のコミュニケーション不足を感じる時は、小さい頃を思い出して、ぜひ、絵本の読み聞かせを楽しんでみてください。

高学年向けの絵本は、大人が読んでも心に響くものばかりです。絵本の読み聞かせを通して、大人も子どもも、新たな発見があるかもしれません。

取材・文・構成/えのとまり

22 件
さいとう かずたか

齊藤 和貴

Kazutaka Saito
教育学者

京都女子大学発達教育学部教育学科准教授。東京都公立小学校および東京学芸大附属小金井小学校にて28年間、教育活動や授業実践に取り組んできた経験を持つ。司書教諭の経験を生かし、「絵本を活用した授業づくり」にも精力的に従事。著書に『豊かな心と思考力を育む 絵本で広がる小学校の授業づくり』(小学館)などがある。

京都女子大学発達教育学部教育学科准教授。東京都公立小学校および東京学芸大附属小金井小学校にて28年間、教育活動や授業実践に取り組んできた経験を持つ。司書教諭の経験を生かし、「絵本を活用した授業づくり」にも精力的に従事。著書に『豊かな心と思考力を育む 絵本で広がる小学校の授業づくり』(小学館)などがある。