
明確な答えが出なくてもよい
子どもに質問をしても、明確な答えが返ってこない場合もあります。そのときは、無理に聞き出そうとするのはやめましょう。「本人もまだよくわかっていないけど、とにかく抵抗を感じているんだな」と理解しておけばよいのです。「なんとなくモヤモヤするんだね」と答えておくのもよいでしょう。

受け止めるというよりも、包み込むようなイメージを持つとよいかもしれません。子どもが幼いときには抱っこして安心させることがありますが、それと同じように、子どもの不安な心情をそっと抱え込むようなイメージで「そうなんだね」と話を聞くのです。そうすることで、問題が解決しなくても、子どもは安心することができます。
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次回は、“キレる”我が子との信頼関係の築き方についてご紹介します。
構成/佐々木奈々子
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■今回ご紹介の書籍はこちら
『キレる子どもの気持ちと接し方がわかる本』(著:原田謙/講談社)
児童精神科医の著者が25年以上の臨床で培ってきた、キレる子どもへの対応・支援法を、マンガを交えて解説します。
「暴力の止め方」「話の聞き方」「ほめ方・𠮟り方」「発達障害の場合」など、ノウハウ的な接し方だけでなく、子どもと向き合うときに意識したい大人側の心構えも重要。ブレない姿勢で、子どものこころに寄り添いながら対応をしていくことで、キレる行動は減っていくでしょう。本書では事例をマンガで紹介しながら対応のしかたを解説。子どものこころに寄り添う対応法がわかります。

連載は全4回 (※公開時よりリンク有効)
原田 謙
長野県立こころの医療センター駒ヶ根子どものこころ診療センター長、副院長。信州大学医学部臨床教授。全国児童青年精神科医療施設協議会代表。 1962年東京都生まれ。1987年信州大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センター、国立精神・神経センター国府台病院、信州大学医学部附属病院などを経て、2014年から現職。専門は児童精神医学。研究テーマは発達障害の二次障害(特に反抗挑発症、素行症)。 著書に『「キレる」はこころのSOS』(星和書店)、 『キレる⼦どもの気持ちと接し⽅がわかる本』 (講談社)など。 成人した2女の父であり4人の孫がいる。趣味はサッカー日本代表の応援、テニス、カラオケ。
長野県立こころの医療センター駒ヶ根子どものこころ診療センター長、副院長。信州大学医学部臨床教授。全国児童青年精神科医療施設協議会代表。 1962年東京都生まれ。1987年信州大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センター、国立精神・神経センター国府台病院、信州大学医学部附属病院などを経て、2014年から現職。専門は児童精神医学。研究テーマは発達障害の二次障害(特に反抗挑発症、素行症)。 著書に『「キレる」はこころのSOS』(星和書店)、 『キレる⼦どもの気持ちと接し⽅がわかる本』 (講談社)など。 成人した2女の父であり4人の孫がいる。趣味はサッカー日本代表の応援、テニス、カラオケ。