1児の母・フィフィ 少子化を防ぐには日本の“窮屈さ&我関せず”を変えるべき

フィフィさん子育てインタビュー#4「日本の子育て」

タレント:フィフィ

見て見ぬふりはしない!!

子どもに対して寛容ではない世の中を憂(うれ)うフィフィさんですが、ときには、他人の子どもを𠮟ることも。

「昔は、いたるところにガミガミ怒る“コラおじさん”がいましたが、今は見かけなくなりましたよね……。でもね、“コラおじさん”のように、他人の子どもを𠮟る人間は必要です。

ということで、私は、知らない子どもでも、ちゃんと理由があれば𠮟ります。『そのいたずらはよくないよ』とか『ここで遊んだら危ないよ』とか」

親からクレームをつけられるのではないか。そんなことを思うと、𠮟りたくても𠮟れないという声を耳にすることがありますが。

「私は、親から何か言われたら、『危ないから𠮟りました』などと理由を伝えます。我が子が𠮟られた理由がわかれば、親も普通なら、『すみませんでした、ありがとうございます』となりますよ。

それにね、子どもって、知らない人から注意されたら、すぐにやめますし、たぶん、二度とやらないと思う。お店で『買って、買って』と床を転げ回って駄々をこねている子どもがいるでしょう。そういう子に『ダメだよ』って言うと、びっくりして飛び起きるから(笑)」

勇気を出して注意したら、その子の親が「あの人が怒っているからやめなさい」と子どもに言っているのが聞こえて、嫌な気持ちになった──。これもまた、よく聞く話。

「これはもう、親ができていないんだからしょうがない。親にまで意見すると、大きなトラブルになる可能性があるから、スルーするしかないんだけど、周りの人もみんな思っていますよ。『この親にしてこの子あり』ってね」

こんなふうにときには嫌な思いをすることもあるかもしれない。それでもフィフィさんは「見て見ぬふりはしない」を貫き通しています。

「人に迷惑をかけていたり、その子自身が危険だったりするのを放っておくことはできません。すぐにやめさせないと。見て見ぬふりをしたことで、事故が起きてしまうこともあるんです。大ごとになってからでは遅いんですよ」

このようなことを常に意識して生活しているというフィフィさん。他人の子どもを𠮟るだけではなく、近所で少しでも虐待が疑われるようなことがあれば、すぐ警察に電話をすることに。

「勘違いだったらそれでいいじゃないですか。万が一ということもありますから、見過ごすほうが怖いですよ。みんなが他人のことには我関せずになってしまうと、救える命も救えなくなってしまう。

子どもを守るには、親だけでは限界があります。周囲の目もすごく大事。世の中のみんながそんなことを意識すれば、子どもを育てやすい社会に変わるのではないかと期待しているんですけどね。結果的に、少子化に歯止めがかかるのではないかと」

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社会問題などを鋭く斬り、強い口調でグイグイ自分の意見を主張する──。フィフィさんと言えば、そんな「論客」のイメージが先行し、常に「トンガって」「吠えている」のではないか(失礼!)などと思われがちです。

でも、今回、インタビューに答えてくれたフィフィさんは、いつもと違う顔を見せてくれました。

自身の子育てや長男について語る、その表情は優しくて、口調も穏やかで。だけど、やっぱり、言っていることには説得力がある! “先輩ママ”として、頼っていきたい貫禄とパワーにあふれているフィフィさんでした。

取材・文/佐藤ハナ

フィフィさんの新刊『まだ本当のことを言わないの? 日本の9大タブー』(幻冬舎)。日本人がわかっていない日本の実態をフィフィ節で鋭く告発。
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フィフィ

タレント

1976年、エジプト・カイロ生まれ。日本の大学で研究することになった両親に連れられて幼いころに訪日。小・中・高と日本の公立学校で学ぶ。中京大学情報科学部を卒業後、アメリカ留学を経て日本で就職。3年間の会社員生活ののちタレント活動を開始。以降、テレビ、ラジオ、webメディアで活躍。 近年は、フォロワー数YouTube40万人、Twitter62万人の論客として、鋭い切り口で国内外のニュース(社会問題、政治、エンタメ)を中心に発言。 近著に、国家安全保障、政教分離、ジェンダー問題、子どもの権利など、日本人が知らない日本の実態を赤裸々に告発した『まだ本当のことを言わないの? 日本の9大タブー』(幻冬舎)。 私生活では、大学1年生(2005年生まれ)の息子を持つ母。

1976年、エジプト・カイロ生まれ。日本の大学で研究することになった両親に連れられて幼いころに訪日。小・中・高と日本の公立学校で学ぶ。中京大学情報科学部を卒業後、アメリカ留学を経て日本で就職。3年間の会社員生活ののちタレント活動を開始。以降、テレビ、ラジオ、webメディアで活躍。 近年は、フォロワー数YouTube40万人、Twitter62万人の論客として、鋭い切り口で国内外のニュース(社会問題、政治、エンタメ)を中心に発言。 近著に、国家安全保障、政教分離、ジェンダー問題、子どもの権利など、日本人が知らない日本の実態を赤裸々に告発した『まだ本当のことを言わないの? 日本の9大タブー』(幻冬舎)。 私生活では、大学1年生(2005年生まれ)の息子を持つ母。