親子で「ペアプログラミング」 子どもの将来を広げるプログラミング的思考

プログラミング教育“はじめの一歩”#3「遊びの中で楽しく学ぼう」

茨城大学准教授:小林 祐紀

プログラミング的思考を育てる3冊の本

読書もプログラミング的思考を育てる優良なツールです。小林先生にプログラミング的思考を育むのに適した本を3冊紹介してもらいました。

「1冊目は『ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング』です。フィンランドの女性プログラマーによる作品で、子どもがプログラミングを学ぶ糸口になるように作った絵本です。

前半は好奇心いっぱいの女の子ルビィが宝石集めの冒険をするストーリーになっています。後半はプログラミングに必要な考え方に触れられる練習問題のパートになっているのが特徴です」(小林先生)

『ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング』(リンダ・リウカス著、鳥井雪翻訳/翔泳社)

「2冊目は、私の著書『いちばんさいしょのプログラミングえほん プログラミングをはじめる前に親子で読む本』です。これには、迷子になった【ぼく】が家族と出会うまでを論理的に考えて、再会する(解決する)方法が順序立てて表現されています。

再会するまでの間に順次処理や反復処理、デバッグなどを絵と共に柔らかく解説しているんですよ」(小林先生)

『いちばんさいしょのプログラミングえほん プログラミングをはじめる前に親子で読む本』(小林祐紀監修、オオノマサフミ絵/KADOKAWA)

「3冊目は『テラと7人の賢者』です。小学校1年〜3年生を対象とした内容で、コンピューターの世界に迷い込んだ少女テラが、賢者たちから出される謎を解いて元の世界に戻るというストーリーです。

指示通りにマス目を塗ってどんな絵が隠れているか見つけ出すなどのイベントを通して、コンピューターの構造を知ることができたり、最短での順次処理を考えるといったプログラミング的思考が学べます」(小林先生)

『テラと7人の賢者』(兼宗進・白井詩沙香監修/学研プラス)

子どものプログラミング的思考を育むには【楽しく】【体験する】ことが重要で、問題を解決するような活動をセットにするといいと話す小林先生。

本を読んだあとは親子でどうしたら問題を解決できるか考えてみたり、付箋に行動を書き出して解決できるまでその順序を探ってみるのもいいのかもしれません。

プログラミング的思考が子どもの将来を広げる

「小学校でのプログラミング教育は中学生、高校生、そしてそのあとの大学入試センターの共通テストに影響してきますが、あくまでも大切なのは問題解決力であったり、目的達成のための思考力です。従って、小学生のうちは、それら力のベース作りを心がけてほしいですね」(小林先生)

順次処理や条件分岐、物事の本質を見抜く抽象化など、小学生の子どもたちが現在、プログラミング教育で学んでいることは、どれも物事を論理的に考えるための基礎です。

これらは将来、新しいテクノロジーを発明する開発者だけではなく、どんな仕事に就いたとしても必要なスキルとなります。そしてこれらの能力は、教育の初期段階では日常生活の問題を題材として、その力を伸ばしてあげることができるのです。

親子で問題解決を目指して過ごす時間は、子どもの成長を後押しするだけでなく、親子関係を深めることにもなるはずです。プログラミング教育と身構えることなく、遊びながら、楽しんで取り組んでみてくださいね。

取材・文/梶原知恵

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こばやし ゆうき

小林 祐紀

茨城大学准教授

茨城大学准教授。博士(学術)。金沢大学大学院教育学研究科修了後に石川県内の公立小学校にて約10年教壇に立つ。2015年より現職。専門は...