AI時代に求められる力! 文科省が推進する「読解力」の本当の意味

AI時代を生き抜く!子どもに身につけさせたい「読解力」 #1

探究学習塾RAKUTO代表:福島 美智子

過去のデータにもとづき、作曲や映像作成をするAIも出てきています。  提供:アフロ

数年前、AIに仕事の半分が取られてしまうというニュース(参考:日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に)が世間を騒がせました。

「子どもの将来は大丈夫?」と、漠然とした不安を抱いていても、子どもにはどのような力を身につけてもらえばいいのか、わからない方も多いでしょう。

そこで今回は、AIに取って代わられないために身につけるべき力「読解力」について、アクティブラーニング型の学習塾を経営する会社代表の福島美智子さんと、同社で教務部コンテンツ開発課課長を務める福島万莉瑛さんにお話を伺いました。(以下、お二人の話を再構成しました)

AIにない能力「読解力」

まずはAIが得意とすること、それを踏まえ、どのような仕事が奪われてしまうのかを解説します。

AIが得意とするのは、インプットした情報にもとづく単純作業です。特に、テキストや映像、音声などのデータを大量に読み込み、共通点を抽出し、判断や推測を行うことに長けています。AIは、人間よりも遥かに多くのことを記憶できますし、機械ですから正確性もあります。実際に、この強みは、スマホの顔認識機能や、Amazonの物流などで、すでに活用されていますよね。

技術の進歩によって、これまで人間が行っていた仕事も、機械ができるようになってきました。そのため、こうした頭を使わなくてもできる単純作業は、今後ますますAIに奪われていくと言われています。さらに、ゼロから何かを生み出す力も身につけ、クリエイティブ分野にも進出されるのでは、という議論も出ているほど。

もちろん、AIには欠点もあります。それは、人間の感情を細かに汲み取れないことです。

データにもとづき、決まり切った対応を行う「チャットロボット」はすでに活用されていますが、対面でのコミュニケーションはそう簡単なものではありませんよね。「大丈夫です」と相手が言っていても、不服そうな表情をしていたら、それは「大丈夫ではない」という意味。相手の表情や言葉から、相手が本当に何を伝えたいのかを汲み取る力は、人間にしかない能力といえるでしょう。

社会生活で大事なのは、こうした“もう一歩深いコミュニケーション能力”です。

コミュニケーション能力の根幹には、言葉の意味を理解して本質をつかむ力、つまり「読解力」があります。国語だけに必要な力と思いがちですが、「読解力」は今後さまざまな場面で求められていきます。

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