
日本人が食べる魚は「たった約0.67%」!? さかなクン探究隊が【低利用魚】の活用方法を調査!
『さかなクン探究隊 2025』活動レポート第4弾
2025.11.11
\さかなクン待望の描きおろし絵本/
主人公は自分のことをもっと好きになりたいハコフグちゃん
絵本「ハコフグのねがい」
おいしいのに利用されていない「低利用魚」
小学生隊員たちが、探究隊長のさかなクンと一緒に海やお魚、海洋環境のことを調べ、考え、深めていくプロジェクト「さかなクン探究隊」。9月上旬、豊洲市場にて行われた第4回の活動は「Happy ギョ食」をテーマに、低利用魚の体験ワークショップが開催されました。
さかなクンと一緒に低利用魚について教えてくれたのは、全国漁業協同組合連合会の馬田英史さん、水産庁の吉川千景さん。
低利用魚とは、実はおいしいのに、あまり食べられていないお魚のこと。「全国的に知名度が低い」「漁獲量が少ない」「傷みやすい」「毒のあるトゲや小骨が多い」など、せっかく獲れたのに、さまざまな理由で流通しづらいお魚たちです。
サイズが小さい規格外のお魚、傷がついたお魚も商品としての価値が下がるため、値段が下がったり、魚のエサにされてしまうこともあります。馬田さんと吉川さんは「いつも同じ魚ばかり食べていると、お魚が減ってしまう」「日本では多くの種類のおいしいお魚がとれるので、いろいろなお魚を食べてほしい」と話します。
続いて、ニギス、アカエイ、ヒラメについてのお話がありました。ニギスは漁獲量が少なく鮮度が落ちやすいため、市場に出回りにくい低利用魚ですが、石川や愛知などの産地では、つみれや干物、揚げ物にして食べられているそうです。東京湾でも獲れるアカエイも、低利用魚のひとつ。バター焼きやフライ、煮付けにするとおいしくて、さかなクンはギョ飯が何杯あっても足りないのだとか。アカエイはアサリなどの貝類を食べるため、アカエイが増えすぎると、アサリが減ってしまうこともある、といいます。アカエイもおいしく食べることが、海の資源を守るためにも大切なのですね。
また、ヒラメは高級なお魚ですが、網にかかったとき、ヨコエビに内臓などを食べられると見た目が悪くなり、値段が落ちてしまいます。ところが、ヨコエビの食害で血抜きされたヒラメは臭みがなく、かえっておいしくいただけるそう。福島・相馬では、今までこうしたヒラメを漁師さんが自宅で食べていましたが、今は「恵比寿ヒラメ」と名付けて売り出しているといいます。
全国漁業協同組合連合会では、地元の漁師さんが自信を持っておすすめする季節ごとのお魚を「プライドフィッシュ」に選定。各都道府県の漁連・漁協とともに「プライドフィッシュ」の魅力やおいしい食べ方、買えるお店などの情報を発信するプロジェクトに取り組んでいます。
プライドフィッシュは、日本全国で298種類。中には、地元でしか食べられていないお魚もあるそうです。「みんなが食べれば、低利用魚ではなくなる。ぜひ食べてほしい」と、馬田さんは子どもたちに伝えました。
「低利用魚」を調理して食べてみよう!
次は、いよいよ低利用魚を使った調理体験! 「ABCスタイル」の先生たちに教わりながら、講義でお話を聞いたお魚たちの調理にみんなでチャレンジしました。
まず、身質が柔らかなニギスで、つみれ汁を作ります。フードプロセッサーですり身にしてネギやショウガ、片栗粉、卵、隠し味のみそと混ぜたニギスを、子どもたちが丸め、あたためたおだしの中へ。塩と醤油で味を調えれば完成です。意外と簡単!
ヒラメは、和風ムニエルに。包丁で食べやすい大きさに切り、下味をつけて小麦粉を振ったら、中火でじっくりと焼きます。バターと醤油を加えると、食欲をそそるいい香りが立ち込めました。
そして、先生が作ったアカエイの唐揚げとおにぎりを添え、低利用魚メニューの献立が完成! ランチタイムでは、子どもたちの笑顔があふれました。「低利用魚を初めて食べたけど、どれもおいしかった」「アカエイの軟骨が、コリコリしていて心地よかった」「こんなにおいしいのに、なんで市場に回らないんだろう」など、低利用魚の味わいに驚いたり感動したりしているようすでした。


































