おこづかいは「使い切ろう」 子どもに金融経済教育の専門家が伝授する「将来のお金との付き合い方」3つのヒント

レオス・キャピタルワークス株式会社「ひふみ金融経済教育ラボ」スペシャルインタビュー

お金を使うのはもったいない? 『投資家と10歳から考えるお金の話』より

「おこづかいは何歳からあげる?」「いくらから?」──親にとっては悩ましい大問題です。「よそのうちではどうしてるのかな?」と、気になるところでもありますね。
そして、「うちもそろそろ」と思い切っておこづかいをあげるとき、子どもについ言ってしまうのが「貯金しておきなさい」「ムダづかいしないように」……。

でも、ちょっと待って! 貯金したお金って、いつか役に立つの? ムダづかいって、いったい何? よく考えると不思議です。

誰か教えてくれる人はいないかな……と探していたら、見つけました!
『投資家と10歳から考えるお金の話』の著者、レオス・キャピタルワークス株式会社「ひふみ金融経済教育ラボ」の皆さんです。「ひふみ経済教育ラボ」の皆さんは、子どもたちに「お金との付き合い方」を伝える活動をしているそうです。

皆さんに、「お金との付き合い方を考えるヒント」を伺ってきました! ナルホドと納得のことばかりですよ。

●レオス・キャピタルワークス株式会社 ひふみ金融経済教育ラボ
2003年、「資本市場を通じて社会に貢献します」という経営理念のもとに創業、投資信託委託業務と投資顧問業務を行っている。「ひふみ投信」「ひふみワールド」「ひふみ年金」などの投資信託シリーズをはじめ、ファイナンシャル・インクルージョン、金融包摂によりゆたかな社会の実現を目指している。その一環として、「ひふみ金融経済ラボ」は、将来を担う子どもや若い人たちに「金融や経済の仕組み」を知ってもらうための活動をしている。著書に『投資家と10歳から考えるお金の話』(講談社)。代表取締役会長兼社長・最高投資責任者藤野英人の著書に、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『14歳の自分に伝えたい「お金」の話』(マガジンハウス)ほか多数。

『投資家と10歳から考えるお金の話』

もらったおこづかいは「使い切ろう」【お金との付き合い方のヒント①】

──皆さんは、子どものころどんなふうにおこづかいをもらっていましたか?

ひふみ金融経済教育ラボの皆さん(以下、ひふみラボさん):小学生のころは、週末にピアノ教室や書き方教室に通っていました。親からお小遣いを300円くらいもらって、レッスンの帰り道に駄菓子屋さんによってお菓子を買うのが楽しみ。習い事が好きなわけではありませんでしたが、駄菓子屋さんへの寄り道は小さな喜びでしたね。

──わかります! 心の栄養ですよね。好きなものを買う喜びってありますよね。

ひふみラボさん:そうですね。お金との付き合い方は、まず「使うこと」から始まるんです。子どもにとって、300円は大事なお金です。だからこそ、自分が共感できるものを買うようにする。そして、使い切ってほしいんです。

すると、「余計なものを買っちゃった!」「買うんじゃなかった!」と後悔することもあるでしょう。そうして、「あのとき買って失敗したから、次はこうしよう」などと反省する。失敗から学ぶことは多いんです。貯金するばかりだと、楽しい経験も失敗の反省も学べないんですよ。

『投資家と10歳から考えるお金の話』より

将来大人になったときに、お金を有効に使うためには、子どものうちから「お金を使う練習をすること」や「お金について考えること」が必要です。何ごともそうであるように、大人になったからといって、急に「よいお金との付き合い方」ができるようにはならないんですね。

──なるほど、失敗する経験も成長のためには大切なのですね。

「応援し、育てたい商品」を買う【お金との付き合い方のヒント②】

──300円で買ったお菓子は、子どもがおいしく食べちゃいました。これがお金を学ぶことになるのですか?

ひふみラボさん:なりますよ。お菓子を買った300円はどこに行くか、ちょっと考えてみましょう。まず、お菓子をつくった会社の売り上げになりますね。それだけでなく、お菓子にかかわる多くの人たちにも分けられます。お菓子をつくるメーカーの人々、できあがったお菓子をお店まで運ぶ物流の人々、お菓子を売ってくれるコンビニやお菓子屋さんなどの小売店。子どもがお菓子を買った300円は、これだけたくさんの人々がつくる「社会」をグルグルめぐっているんです。

『投資家と10歳から考えるお金の話』より

子どもたちが使ったおこづかいは、こんなにたくさんの人たちに影響を与えます。「社会はお金でつながっている」のですよ。これをちょっと頭に置いておきましょう。

──なるほど、使ったお金がどうなるかって、あまり考えませんよね。

ひふみラボさん:子どもたちがお金でものを買って「うれしいな」と満足するとき、お金はそのものの関係するところに行きます。「お金は使う人の意思のあるところに行き、それを応援する」のです。すると、そのお菓子はよく売れるから、改善する予算ができて、ますますおいしくなりますね。健康によいお菓子をつくったり、環境問題に取り組んでいる会社もありますよね。

『投資家と10歳から考えるお金の話』より

──好きなものを買うと、その商品をもっとよくすることができるのですね。

ひふみラボさん:ところが一方で、製造過程で従業員がムリをさせられているために安い商品などもあって、よく考えずにお金を使うと、誰かを困らせることになってしまうことがあるんです。

だから、買い物をするときには、「これはよくなってもらいたいものかな?」と考えながら使うことが大切なんですよ。

ただ、企業努力をすることで安くてよい商品をつくっている会社もたくさんありますから、そんな取り組みも親が調べるなどして見守ってあげたいですね。

『投資家と10歳から考えるお金の話』より

お金には「未来への希望」が詰まっている!【お金との付き合い方のヒント③】

──お金って、いろいろなところに影響しているのですね。

ひふみラボさん:そうなんです。「欲しいもの」を買うと、「その人が何を考えているか」がわかります。お金の使い方には、その人の考えや態度がそのまま映し出されるからです。だからこそ、「お金を使って何をしよう」と前向きに考えながら使う練習が、とても大切なのです。

商品を選ぶとき、応援したい品物や会社のものを買う。そんなふうに考えながらお金を使うと、幸せな気持ちになります。お金を考えることは、「自分がどう生きるか」を考えることなんです。それを子どもたちに少しずつ経験してほしいですね。

──子どもたちが、そこまで考えられるでしょうか?

ひふみラボさん:こんなふうに話してみたらどうでしょう。お金は「未来への希望が詰まった缶詰」です。今、目の前にあるお金を使って、ゲームや道具を買うこともできますね。新しいものや新しい体験を、お金を使うことで手に入れることができるんです。

『投資家と10歳から考えるお金の話』より

お金は「未来の希望へとつなぐもの」。「お金を使って、これから何をするか」で、子どもたちの未来が変わっていくのです。お金って、とってもワクワクする魔法みたいなものなんですよ!

【無料】5月18日14時~15時|保護者必見のマネーリテラシー講座

お金のプロが我が子に教えている 将来困らないための「お金との付き合い方」

「お金の本質」を小学生に向けてわかりやすく解説した『投資家と考える10歳からのお金の話』の著者、レオス・キャピタルワークス株式会社ひふみ金融経済教育ラボの山﨑孝さんをお招きして、オンラインセミナーを開催します。
〔2024年5月18日(土)14時~15時 登録制・参加無料〕

Amazonの「財務会計(本)」「子どもの社会学習」「会計・会計学入門」の各カテゴリ別ランキングで1位を獲得した『投資家と考える10歳からのお金の話』の内容を元に、本セミナーを通じて、受講後すぐに使える内容でお届けします。

2人の子どもを育てるパパでもある山﨑さんから、子育て世代の実感に寄り添いながら、わかりやすく「お金の話」を解説していただきます。

セミナーを通じて、こんなことを子どもと話せるようになります。

★その子にとっての、おこづかいの正しい使い方
★社会はお金でつながっているということ
★お金を「使う」「得る」「投資する」とはどういうことか

お金のプロが我が子に教えている 将来困らないための「お金との付き合い方」

【開催日時】
2024年5月18日(土)14:00~15:00

【参加費用】
無料

【出演】
山﨑 孝(レオス・キャピタルワークス株式会社 経営企画本部長)

【実施形式】
Vimeoを使ったオンラインライブ配信イベント

【主催・協力】
主催:株式会社講談社 児童図書編集チーム・コクリコ事業チーム
協力:レオス・キャピタルワークス株式会社

●レオス・キャピタルワークス株式会社 ひふみ金融経済教育ラボ
2003年、「資本市場を通じて社会に貢献します」という経営理念のもとに創業、投資信託委託業務と投資顧問業務を行っている。「ひふみ投信」「ひふみワールド」「ひふみ年金」などの投資信託シリーズをはじめ、ファイナンシャル・インクルージョン、金融包摂によりゆたかな社会の実現を目指している。その一環として、「ひふみ金融経済ラボ」は、将来を担う子どもや若い人たちに「金融や経済の仕組み」を知ってもらうための活動をしている。著書に『投資家と10歳から考えるお金の話』(講談社)。代表取締役会長兼社長・最高投資責任者藤野英人の著書に、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『14歳の自分に伝えたい「お金」の話』(マガジンハウス)ほか多数。

●聞き手/高木香織(たかぎ・かおり)
出版社勤務を経て編集・文筆業。2人の娘を持つ。子育て・児童書・健康・医療の本を多く手掛ける。編集・編集協力に『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『子どもの「学習脳」を育てる法則』(ともにこう書房)、『部活やめてもいいですか。』『頭のよい子の家にある「もの」』『モンテッソーリで解決! 子育ての悩みに今すぐ役立つQ&A68』『かみさまのおはなし』『エトワール! バレエ事典』(すべて講談社)など多数。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(リヨン社)、『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)がある。

たかぎ かおり

高木 香織

Kaori Takagi
編集者・文筆業

出版社勤務を経て編集・文筆業。2人の娘を持つ。子育て・児童書・健康・医療の本を多く手掛ける。編集・編集協力に『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『子どもの「学習脳」を育てる法則』(ともにこう書房)、『部活やめてもいいですか。』『頭のよい子の家にある「もの」』『モンテッソーリで解決! 子育ての悩みに今すぐ役立つQ&A68』『かみさまのおはなし』『エトワール! バレエ事典』(すべて講談社)など多数。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(リヨン社)、『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)がある。

出版社勤務を経て編集・文筆業。2人の娘を持つ。子育て・児童書・健康・医療の本を多く手掛ける。編集・編集協力に『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『子どもの「学習脳」を育てる法則』(ともにこう書房)、『部活やめてもいいですか。』『頭のよい子の家にある「もの」』『モンテッソーリで解決! 子育ての悩みに今すぐ役立つQ&A68』『かみさまのおはなし』『エトワール! バレエ事典』(すべて講談社)など多数。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(リヨン社)、『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)がある。

れおすきゃぴたるわーくすかぶしきがいしゃ ひふみきんゆうけいざいきょういくらぼ

レオス・キャピタルワークス株式会社 ひふみ金融経済教育ラボ

HIFUMILAB

2003年、「資本市場を通じて社会に貢献します」という経営理念のもとに創業、投資信託委託業務と投資顧問業務を行っている。「ひふみ投信」「ひふみワールド」「ひふみ年金」などの投資信託シリーズをはじめ、ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)によりゆたかな社会の実現を目指している。その一環として、「ひふみ金融経済教育ラボ」は、将来を担う子どもや若い人たちに「金融や経済の仕組み」を知ってもらうための活動をしている。著書に『投資家と考える10歳からのお金の話』(講談社)。代表取締役会長兼社長・最高投資責任者藤野英人の著書に、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』(マガジンハウス)ほか多数。

2003年、「資本市場を通じて社会に貢献します」という経営理念のもとに創業、投資信託委託業務と投資顧問業務を行っている。「ひふみ投信」「ひふみワールド」「ひふみ年金」などの投資信託シリーズをはじめ、ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)によりゆたかな社会の実現を目指している。その一環として、「ひふみ金融経済教育ラボ」は、将来を担う子どもや若い人たちに「金融や経済の仕組み」を知ってもらうための活動をしている。著書に『投資家と考える10歳からのお金の話』(講談社)。代表取締役会長兼社長・最高投資責任者藤野英人の著書に、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』(マガジンハウス)ほか多数。