「子どもの科学力」 受験や将来に絶対必要な力を伸ばす4つの方法 サイエンスアーティストが伝授

市岡元気先生のYouTube動画に出演できるチャンスも!? 実験に絡んだクラファン開催中

サイエンスアーティスト:市岡 元気

みなさんこんにちは。サイエンスアーティストの市岡元気です⌬

僕は普段、YouTubeで実験動画を投稿したり、TVなどで実験を交えた科学解説をしたり、漫画やアニメの科学監修などをしています。

YouTube「GENKI LABO」をはじめて5年が経ちますが、YouTubeのチャンネル登録者数は100万人、総再生回数は10億回を達成しました。それだけ科学を楽しむ人が増えているということだと感じています。

2021年に執筆した、おうちにあるものでかんたんに実験でき、科学が好きになる『おうちでできるオモシロ実験!』という本は、自由研究に便利で、家にあるもので簡単にできるため、親子から好評です!

夏休みも終盤、いよいよはじまる受験対策に悩む親御さんも多いのではないでしょうか。

僕は受験勉強は大切だと思っています。人生は楽しいことだけではなく、山があれば必ずどんな人でも谷があります。受験勉強で必死に頑張らなくてはいけないプレッシャーやストレスはとてつもないものなので、それを乗り越えた経験は将来どんな場面でも役に立つと考えています。

しかしながら、いやいや勉強させられた子どもが科学好きになるとは思いません。

まわりの親御さんから、「無理やり科学館に行かせた子どもや、実験教室などにたくさん参加させた子どもが理科嫌いになってしまった」という話もしばしば聞きます。子どもが自主的に行きたいのであればいいのですが、親が押しつけるのはむしろ逆効果に感じています。

では、どのように「科学力」を伸ばすのが効果的なのでしょうか? 今回、子どもが自然と科学好きになる、科学力を伸ばすためにオススメな方法を3つ紹介します!

①子どもがやりたいことを否定しない

1時間や2時間で集中力が切れて「もうやりたくない」と言って勉強を続けられない子も多いと思います。でもそんな子たちも、YouTubeやTikTok、アニメなど、自分が好きなことだと何時間も集中して見ていませんか? 「TikTokもう見たくない! 携帯を見ると疲れる!」と言っている子どもはほとんどいないと思います。

「集中する」という現象の意味では同じですし、もしアニメやYouTubeが「勉強」できる内容であれば、何も問題ないと感じるのではないでしょうか。勉強になることを自分の好きなことに置き換えられたら、集中力が続いた状態で、新しい知識や発見もたくさん吸収できるようになります。

そのためにも、子どものやりたいことを否定せず、可能性を潰さないように注意しましょう。一見、回り道に見えるかもしれませんが、子どもたち自身が自主的に身につけたことは親が思う以上のところへ広がっていきます。そこで学んだことは決して無駄にはならず、その子たち自身の力になるはずです。

②子どもが興味を持っていること・好きなことを見つける

自分の子どもを見ていても難しいところだなあと思うのですが、自分がいろんな体験をさせたいと思っても、子どもたち自身は家でゲームや携帯を触っていたいと言うしで、なかなかうまくいきません。

そのため、子どもが何に興味を持っているかを知って、派生させていくのもひとつの手です。

好きという気持ちがいちばん子どもたちの可能性を成長させます。

「好きなこと」は脳のアドレナリンを活性化させて集中力を上げます。子どもが「夢中になれるもの」、「息をするようにいつでも無理せずできること」を発見して伸ばしてあげることが大切です。

たとえばアニメが好きなら、「アニメに出てくるような炎をGENKI LABOでも再現してたな。どうやったらできるんだろう?」とか、美容に興味があるなら、「口紅ってどうやって作るんだろうね?」とか、マインクラフトが好きなら、「石炭ブロックか~。探鉱見学に行こうか!」など。

身近なところに科学は溢れているので、遊びの一つのような感じから科学に興味を持ってもらえると、いつか学校の教科書でその分野が出てきたときに、より興味が湧くと思います。

③負担にならない範囲で子どもと一緒に楽しめることを探す

なかなか時間をつくれないとは思いますが、一緒に楽しめることを探して、その中にある「科学」に興味を持ってもらうのはどうでしょうか?

たとえば、料理が好きなお母さんなら一緒にお菓子作りをして「砂糖の温度による変化」とか「重曹の熱分解」とか「パンの酵母菌の発酵」を実験してみる。キャンプが好きなお父さんなら「焚き火」のおこし方。まずは燃えやすいものから燃やして火を大きくしていくなど。

身近には科学があふれているので、子どもと一緒に「日常にひそむ科学」を探していくような形で体験すれば、「世界は科学でできている」ということも体感できると思います。

ちなみに、僕は先日子どもたちと川に砂金とりに行きました。楽しめるかなと不安でしたが、たくさん砂金を取っていい思い出になったようでした。

砂金とりの様子。  提供:市岡元気
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