100均素材で実験!「おりがみ橋づくり」でちびっ子建築家を目指そう
【おうちで実験教室】 理系脳を育てる科学の見方・あそび方を専門家が徹底解説 100均素材で幼児にもわかる!
2021.06.03
【おまけの実験】おりがみで2リットルのペットボトルをもち上げよう!
おりがみを縦に4等分する折り筋をつけ、三角柱になるように丸めてノリでとめます。これを6本ずつまとめて六角柱にしたものを2セットつくりましょう。
2リットルのペットボトル(中身は入れたまま)を六角柱にわたします。
そうっとのせると、おりがみの柱はびくともしません。ほかにも、四角柱、六角柱、円柱など、いろいろな形をつくって強さを比べるのもおもしろいですね。
形と強さの秘密を「科学の目」で見てみると…
「強さ」とは、なんでしょう? 大きさ、重さ、固さ、厚さなど、強さ(剛性)を決める要素はいろいろあります。おりがみは小さくて、軽くて、ペラペラで、あまり強そうには見えません。でも、強さは形によっても変わるのです。
実際に「紙の橋」の実験をふり返って、その秘密をみてみましょう。
なにもしないおりがみにおもりを置くと、かんたんに紙がたわんでしまい、重さを支えられません。橋げたに平行に折り筋をつけたときも、同じようにたわんで、橋がこわれます。
橋げたに直角に折り筋をつけた場合も、重さによって紙の中央部分ががたわもうとします。でも、折った両端の部分はたわみにくいので、真ん中のたわもうとする部分のストッパーとなり、重さを支えることができるのです。
蛇腹に折った橋は、ななめになった面のすべてがストッパーの役割をするので、より強くなり、たくさんのおもりを支えることができます。この折り方は、軽くて少ない材料で強い面が作れるので、段ボールにも使われています。
このように、形を工夫することで強さを増す工夫は、さまざまな工業製品や建築物に生かされています。橋などの建築物、変わった形の工業製品などを見かけたら、「なんでこんな形をしているのかな」と、親子でよく観察してみましょう。その形に強さの秘密が隠されているかもしれません。
構成・文/湯地真理子
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齋藤 実
都内私立中高一貫校理科教諭/理学修士。1960年東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業、同大学大学院相関理化学修士課程修了、同博士課程中退。 専門は、物性物理。「シンプルで原理がわかる実験」を心がけながら、理科教育に携わる。自身の子育て経験を通して、幼児からの「実験あそび」を考案。
都内私立中高一貫校理科教諭/理学修士。1960年東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業、同大学大学院相関理化学修士課程修了、同博士課程中退。 専門は、物性物理。「シンプルで原理がわかる実験」を心がけながら、理科教育に携わる。自身の子育て経験を通して、幼児からの「実験あそび」を考案。