コロナ禍で子どもの足トラブル急増! はだし育児はNG!? 今「足育」が必要なワケ

3万人以上の足をみた専門家・伊藤笑子氏に聞く「子どもの足育」#1~足トラブル編~

合同会社フェルゼCEO・マスターシューアドバイザー:伊藤 笑子

3万人以上の子どもにシューフィッティングをしてきた子ども靴の専門家・伊藤笑子さん。  Zoom取材にて

コロナ禍で目立つぐらぐら&片足立ちできない7歳児

運動不足も足のトラブルにつながる原因の一つ。心配されるのがコロナ禍の影響です。子どもたちの運動不足は多方面から指摘されていますが、そのことが足の形成にも影響を与えているといいます。

「これまで3万人以上もの子どもの足を見てきましたが、2020年度から子どもたちの足が弱くってなってきているのは顕著です。

7歳児に両手を広げて片足立ちしてもらう検査では、コロナ禍以降できる子が一気に減りました。ぐらぐらする子だけでなく、片足立ちすらできない子もいます。運動不足は足のゆがみだけでなく、姿勢の悪さにもつながります」(伊藤さん)

長期的に見ると、20年前と比べてかかとの軸がしっかりしていない子どもも増えているそうです。

かかとの軸が真っ直ぐ成長していれば、かかとを支えるためのハイカットシューズ(くるぶしを覆う高さのある靴)から、運動性を加味したローカットシューズへ切り替えが可能になります。

以前は3~4歳ごろが切り替えどきでしたが、近年は6~7歳でもまだハイカットシューズが必要な子どもも少なくないそうです。

間違った靴選びや、はだし保育、運動不足などでかかとの軸がゆがんで外反していると、足裏のアーチができにくくなったり、アーチがうまく機能しないことで疲れやすかったり、外反母趾や爪の変形を引き起こす可能性も高まります。

「かかとが外反している場合、最低でも4〜5歳頃まではハイカットシューズできちんと支えてあげるとよいでしょう。はだしや草履、青竹踏みでは解決できません。

まずは骨組みがあるべき位置に収まるよう、適切な靴を履かせてあげることが大切です」(伊藤さん)

◆◆◆◆◆
軟骨だらけで未熟な子どもの足。よかれと思っていたはだし遊びも、地面環境を選ぶ必要がありそうです。次回は足をつくる適切な靴選びについてお届けします。

伊藤笑子(いとう・えみこ)
合同会社フェルゼCEO・マスターシューアドバイザー。新潟医療福祉大学大学院 修士課程修了。学術研究と3万人以上の子どものシューフィッティングおよび販売実績を持つ、日本における子ども靴のパイオニア。2016年「日独小児靴学研究会」を樹立。2020年、日本フットケア・足病医学会学術委員会「子供の足、靴改革ワーキンググループ」サブリーダーを受任。小児靴の手引き書・指針の作成に尽力し、その中心的役割を担う。
公式HP フェルゼオンライン
facebook

取材・文/大楽眞衣子

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いとう えみこ

伊藤 笑子

合同会社フェルゼCEO・マスターシューアドバイザー

合同会社フェルゼCEO・マスターシューアドバイザー新潟医療福祉大学大学院 修士課程修了。学術研究と3万人以上の子どものシューフィッティング実績および販売実績を持つ、日本における子ども靴のパイオニア。 1996年、インターネット上に「子どもの足と靴の相談室」を開設、国内初の専門サイトを公開。ドイツ靴医学に基づく健康靴店「フラウ」を開業。2016年、専門者養成と知識の標準化を目指す「日独小児靴学研究会」を樹立。2019年、合同会社フェルゼを設立、CEOに就任。2020年、日本フットケア・足病医学会学術委員会「子供の足、靴改革ワーキンググループ」サブリーダーを受任。小児靴の手引き書・指針の作成に尽力し、その中心的役割を担う。 ●公式HP フェルゼオンライン  ●facebook

合同会社フェルゼCEO・マスターシューアドバイザー新潟医療福祉大学大学院 修士課程修了。学術研究と3万人以上の子どものシューフィッティング実績および販売実績を持つ、日本における子ども靴のパイオニア。 1996年、インターネット上に「子どもの足と靴の相談室」を開設、国内初の専門サイトを公開。ドイツ靴医学に基づく健康靴店「フラウ」を開業。2016年、専門者養成と知識の標準化を目指す「日独小児靴学研究会」を樹立。2019年、合同会社フェルゼを設立、CEOに就任。2020年、日本フットケア・足病医学会学術委員会「子供の足、靴改革ワーキンググループ」サブリーダーを受任。小児靴の手引き書・指針の作成に尽力し、その中心的役割を担う。 ●公式HP フェルゼオンライン  ●facebook

だいらく まいこ

大楽 眞衣子

社会派子育てライター

社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーに。3人の育児で培った生活者目線を活かし、現在は雑誌やWEBで子育てや女性の生き方に関わる社会派記事を執筆している。大学で児童学を専攻中で、保育士資格を取得。2歳差3兄弟の母。昆虫好き。イラストは三男による「ママ」 ●公式HP「my luck」

社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーに。3人の育児で培った生活者目線を活かし、現在は雑誌やWEBで子育てや女性の生き方に関わる社会派記事を執筆している。大学で児童学を専攻中で、保育士資格を取得。2歳差3兄弟の母。昆虫好き。イラストは三男による「ママ」 ●公式HP「my luck」