「災害時は、常に緊張し、普段より疲れが出やすくなります。そんな時に甘いものを食べると、素早く糖分が摂取でき、なにより心が落ち着きます。災害時こそスイーツがあるとありがたく感じると思いますよ」
と、防災士の堀中里香さん。そして、備蓄するなら“缶詰スイーツ”がおすすめだと言います。
「缶詰は長期保存が可能です。最近では缶詰のスイーツがたくさん登場し、災害時の備蓄用にはもちろん、ちょっと甘いものが食べたいな、というニーズにもこたえてくれるので、缶詰スイーツがおすすめなんですよ」
さまざまな缶詰スイーツを試した堀中さんに、味、価格、保存期間など、すべてにおいておすすめできるものを厳選して紹介してもらいました。
和菓子なら缶詰ようかん
黒潮町缶詰製作所 栗と黒糖 やわらか寄せ (賞味期限/製造から3年)
黒潮町缶詰製作所 黒糖の濃厚和ショコラ (賞味期限/製造から3年)
「カツオやマグロの缶詰を作っている高知の黒潮町缶詰製作所の缶詰ようかんは、7大アレルゲン不使用ですので、どなたでも安心して食べられます。黒糖の濃厚和ショコラはチョコレート+小豆の絶妙なバランスで、和菓子と洋菓子の中間のような味わいです。黒糖の風味も加わって、そのまま食べるのはもちろん、パンに塗ってもいいでしょう」
和ショコラは、ようかんの甘さが苦手でも、チョコレートの風味でおいしく食べられそうです。また、柔らか寄せは、ようかんの固さが苦手な方でも大丈夫、とのこと。
「ようかんはちょっと固いイメージを持っている方が多いと思いますが、やわらか寄せはあんこにも似た柔らかさで、とても食べやすいんですよ。栗の甘露煮も本格的で、和菓子好きの方も満足のおいしさだと思います」
缶詰ようかん、和菓子党の人にはおすすめですね。
進化系缶詰スイーツは“ケーキ”⁉
ケーキも缶詰なら1~2年、賞味期限があります。濃厚な味のチーズケーキやチョコレートケーキは満足感を得られること、間違いないでしょう。
パッケージもかわいらしいものが多く、災害時に見た目からも心安らいでほしい、という配慮がなされています。
堀中さんおすすめの横浜ハイカラでは、チーズケーキとガトーショコラの2種類がありますが、特に堀中さんがおすすめするのは、チーズケーキ。
横浜ハイカラ チーズケーキ (賞味期限/製造から2年)
「チーズケーキ、ガトーショコラはどちらもとてもしっとりしていて、甘すぎず、使っている原材料も余計なものが入っていなくてとってもおいしいです。私はチーズケーキが好きなので結構味にはうるさいと思いますが、一缶ぺろりと食べてしまいました(笑)」
非常食だからといって、味はもちろん素材にも妥協したくないと、東京の大岡山にある洋菓子店「ティーフル」のパティシエが考案したのが「Halcia(ハルシア)のテリーヌ・ショコラ」。
くるみなどのナッツ類が入ったミックスナッツ味、マキベリーがたっぷり入ったミックスベリー味、極めつけは、様々な栄養成分を含む微細藻類のスーパーフード、スピルリナ入りの3種類があります。
ティーフル Halcia(ハルシア)のテリーヌ・ショコラ (賞味期限/製造から1年)
「非常食でも、よりおいしいものをという発想はありますが、さらに体にもいいものをというのは新しいと思います。3種類の食べ比べができる詰め合わせもあるので、ご自分で試してみるのもいいですし、9個セットはプレゼントにも喜ばれると思います。テリーヌショコラもとても濃厚で、私は夫と半分にしていただきましたが、大満足でした」
災害時だからこそ、普段とできるだけ変わらない生活を送りたい――食生活はなおさらです。普段通りの食事はできなくても、心と体を休めてくれるスイーツがあれば、ずいぶん救われるのではないでしょうか。
備蓄用の食品にも少し工夫を加えれば、家族やまわりの人を守ることができるかもしれません。進化系缶詰スイーツ、災害時の備蓄にお好みのものを加えてみてはいかがでしょうか。
また、食べてみておいしいなと思ったら、備蓄用と気負わず普段から取り入れ、少し多めにストックすれば、立派なローリングストックとなります。
まずは食べてみるところから! 進化系缶詰スイーツ、ぜひ試してみてくださいね。
堀中里香(ほりなか りか)プロフィール
防災備蓄収納マスタープランナー、防災士、整理収納コンサルタント。「あなたのいえのかたづけこびと、そだてませんか」をモットーに、日常は整理収納、非常時は防災備蓄で、安全で安心な暮らしをサポートする。防災を考慮した整理収納サポートや、オンラインの整理収納×防災備蓄セミナーが好評。整理を習慣づける週一オンライン部活動『みんなでおかたづけクラブ』も行っている。NHKひるまえほっと出演。ブログ『かたづけこびとのみつけかた』 https://ameblo.jp/karikanariho/
時政 美由紀
1965年兵庫県生まれ。立命館大学産業社会学部卒業後、出版社勤務を経て、2010年、編集・出版企画 ㈱マッチボックスを設立。出版社時代から現在に至るまで企画・編集した書籍・ムックは300冊以上。女性のライフスタイル全般、料理、子育てなどの実用書を中心に活動。2018~2021年、茨城新聞「論壇」にて連載。自著に『50歳から結婚してみませんか?』(朝日新聞出版)。
1965年兵庫県生まれ。立命館大学産業社会学部卒業後、出版社勤務を経て、2010年、編集・出版企画 ㈱マッチボックスを設立。出版社時代から現在に至るまで企画・編集した書籍・ムックは300冊以上。女性のライフスタイル全般、料理、子育てなどの実用書を中心に活動。2018~2021年、茨城新聞「論壇」にて連載。自著に『50歳から結婚してみませんか?』(朝日新聞出版)。