【中高生の性教育】中学生に「コンドームの使い方」を教える “4児の母“の数学教師が明かす「理由」とは?

中高生の性教育 #1 ~義務教育でコンドームの使い方編~

妊娠・出産、デートDV、パートナーとの関係なども教える

──三觜先生の性教育の授業がテレビで取り上げられている映像を観ました。妊娠・出産、デートDV、パートナーとの関係など、幅広い内容で驚きました。

三觜先生:私が目指したのは、「明るい性教育」です。日本の性教育は、「エイズや梅毒になったら大変だ」と脅すような教え方になりがちですが、恐怖を与えるだけでは逆効果です。それでは、大人に隠れてSNSなどの偏った知識を得ようとするだけだからです。

だからこそ、オープンな性教育が必要だと考えました。失敗は誰にでもあります。性病、妊娠、性にまつわるトラブルを1人で抱えずに気軽に社会が支援できる環境があれば、命までもが奪われたりする最悪の事態には発展しないはずだと。

一度の失敗で人生が終わるわけではありません。誰かにSOSを出せれさえすれば……。そのことを伝えたかったのです。

写真:mapo/イメージマート
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生徒へ自身の出産ビデオも

──さらに三觜先生ご自身の出産ビデオも生徒にみせていて、命の大切さを伝えているのが印象的で……。

三觜先生:性教育は、「生命の誕生の素晴らしさ」と同時に「性感染症や望まない妊娠のリスク」の2面性を伝えなければ意味がありません。

セックスには、新しい命を生み出す力やスキンシップの延長上にある、文化的な営みもありますが、リスクもあります。その両面を正しく伝えることが大切です。

また、すべての生徒が必ず受けなければいけないものではなく、「しんどい人は授業を受けなくてもいいよ」と、逃げ道も用意しました。生徒一人ひとりの気持ちを大切にしたかったからです。

保護者からは「ぜひやってほしい」と切実な声が出た理由

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