妻が倒れて4ヵ月! 戦力外パパ&子どもは大きく成長しママには回復の兆し!!

妻が脳出血!戦力外パパと2児の奮闘記 #5~ワンオペ育児で得たもの編~

ライター:佐野 勝大

退院日が決定!うれしさの裏側で少しだけ寂しい気持ちに

妻が入院している間の9月に息子は9歳になり、11月に娘は12歳になり、僕は47歳になった。毎年特別なことをしているわけではないが、10数回目の結婚記念日も過ぎていった。このことが、妻がいない月日の長さを感じさせる。

妻が倒れた日から、ちょうど4ヵ月経った日が結婚記念日だった。そのことに触れている妻からのLINEを、照れくさくて、さりげなくスルーしてしまった。 画像提供:佐野勝大

妻のリハビリの進捗については、まったく期待しないようにしていた。過剰に期待してしまうと、回復がこちらの想定を下回ったときに、落胆してしまいそうで怖かったからだ。懸命にリハビリを頑張っている相手に対して、少しでもそういった気持ちを抱くのだけは嫌だった。

そんななか、我が家にとって一番うれしかったのは、「右手で左手の袖がめくれた!」「右手で爪切れた!」「今日はじめて杖で外を歩いた!」といった妻からの報告。そんなことで大喜びしているなんて、妻が倒れる前の“当たり前の日常”がいかにありがたかったかを痛感させられた。

利き手ではない左手で妻が娘のために書いた文字。なかなか上手でビックリ! 写真:佐野勝大

そして、11月4日(2021年)にはついに退院日が決定。12月10日に、妻が家に帰れることになった。しかも、浴室やトイレに手すりをつけなくても、生活に支障はなさそうとのこと。

さらにその数日後には、病院に設置されているドライブシミュレーターで特訓した甲斐もあって、改造することなく右足でクルマを運転できそうだとLINEが入った。

「右手右足が全く動かない」というLINEが届いてから約4ヵ月で、ここまで回復するとは……。リハビリに懸命に取り組んだ妻の頑張りもすごいが、それを支えてくれた理学療法士さんや作業療法士さんのプロフェッショナルな仕事ぶりに、頭が下がる思いだ。

妻が家に帰ってくるということは、同時に僕のワンオペ育児も終わりを告げるということだ。退院が決まったことはとてもうれしかったが、この生活があと少しで終わるのかと思うと、ホント不思議なもので、ちょっとだけ寂しい気持ちになった。


<つづく>


第1回(#1) 突然妻が倒れて「子育て戦力外」から「ワンオペ育児」に!パパの絶望の1日
第2回(#2) 妻の脳出血から1ヵ月 子育て戦力外パパの「混乱ワンオペ育児」でゴミ屋敷に
第3回(#3) 妻の入院1ヵ月半「ワンオペ育児」の子育て戦力外パパが悪戦苦闘でキレまくり!
第4回(#4) ワンオペ育児3ヵ月! 戦力外パパに女性応援団? 涙した我が家の味

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さの かつだい

佐野 勝大

ライター

さのかつだい 1974年生まれ。ノンジャンルで仕事をこなす関西出身のフリーライター。年400本以上と、精力的に取材活動を行っている。年間の休日が10日前後と、ワークライフバランスがまったくとれていないことが悩み。2児の父だが、育児にほぼ参加しなかったため、長女が0歳の頃に妻から子育ての戦力外通告を受けた。

さのかつだい 1974年生まれ。ノンジャンルで仕事をこなす関西出身のフリーライター。年400本以上と、精力的に取材活動を行っている。年間の休日が10日前後と、ワークライフバランスがまったくとれていないことが悩み。2児の父だが、育児にほぼ参加しなかったため、長女が0歳の頃に妻から子育ての戦力外通告を受けた。